第90回全国高校野球選手権大分大会が5日、大分市の新大分球場で開幕する。県内49校が「夏の
甲子園」を目指して、熱戦を繰り広げる。厳しい練習を重ね、甲子園へ向かってひた走る球児の姿を追
った。
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◇「大舞台に帰る」念じ
高くそびえる鶴見岳をバックスタンド越しに仰ぐ明豊高グラウンド。ノックでセカンドの松本真洋選
手(3年)が球をはじいた。直後、背後にいた和多翼選手(3年)がげきを飛ばす。
「あきらめるんか!」
松本選手はコーチに再度ノックを要求し球に飛びついた。高口健二部長は「練習はほとんど選手らに
任せている」と話す。
ネット裏のブルペンには投打で全国の注目を集めるエース、今宮健太投手(2年)がいた。秋から4
キロ増した球速142キロの直球がキャッチャーミットに「ズバン!」と鈍い音をたてる。懸命に、楽
しむように投げている。
ダイヤモンドの中央でチームを束ねる金沢徹主将(3年)が、自らサインを出し挟殺プレーの練習を
繰り返させた。チームNO1の長打と「ボスのオーラ」を併せ持ち、早くも監督のような風格を醸し出
している。
秋季九州大会優勝▽明治神宮大会ベスト8▽春の甲子園出場--と、すでに十分な実績を残した08
年の明豊ナイン。しかし、静岡・常葉菊川と初戦を戦った甲子園には「悔い」を残した。2点を追う八
回、5番・河野凌太選手(2年)は好調にもかかわらず狙い通りの球を「力みが出た」と詰まらせ、好
機で凡退した。今宮選手は左バッターから初めてレフトオーバーを2回奪われ、失点につながる悪送球
もあった。「甲子園にはこんな選手がいるのか」「大舞台でまだ力を出し切ることができない」。驚き
ともどかしさが残った。
今、「絶対に甲子園に帰らなければ」という気持ちを選手全員が持つ。だから、監督・コーチが指示
しなくとも気迫のこもる選手らの声が途切れることはない。「この時期にはもう多くを教える必要がな
い。調理場で言えばあとは料理長がかくし味を加え、味見するだけ」と高口部長は言う。
「やることはすべてやってきた。夏が楽しみです」と話す金沢主将には「本当に一日も無駄にせずや
ってきた」という自信がにじみ出ていた。
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