« 2008年8月 | トップページ | 2009年1月 »

2008年12月

八王子、昨夏決勝のリベンジ/西東京大会

<高校野球西東京大会:八王子6-5創価>◇17日◇4回戦

 八王子が劇的な逆転サヨナラ勝ちで、昨夏決勝のリベンジを果たした。4回戦で創価と対戦、2点差を追う9回裏に一挙3点を奪い、試合をひっくり返した。創価の連続出場の夢は破れた。

 八王子の3番山本尚人外野手(3年)は打席に入る前、小刻みにジャンプを繰り返した。9回1死二、三塁。自らを落ち着かせる「儀式」だった。フルカウントまで粘った7球目、振り抜いた打球は右前で弾んだ。「どんな球だったか覚えていません。でも思い切り自分のスイングができました」。逆転サヨナラ勝利を決めた山本は興奮気味に価値ある一打を振り返った。

 7、8回と併殺で好機をつぶした。2点差で迎えた9回、ナインは「悔いの残らないようにやろう」と確認し合った。チーム1の努力家、竹口祐太郎(3年)が代打で中前打し、流れが変わった。3連打で満塁。2番南嶋亮内野手(1年)が右翼線に落ちる執念の二塁打を放ち、同点だ。ここで山本が登場した。

 安藤徳明監督(47)に「今が一番楽しい場面だぞ」と送り出された。4番の狩野竜馬外野手(3年)には「オレもいるからリラックスしていけ」と言われて吹っ切れた。「思い切り振って三振でも大丈夫」と仲間を信じた結果だった。

 創価戦を目標にしてきた。昨夏は7番で先発、4打数2安打したが、チームは逆転負けだった。その屈辱を糧に、厳しい練習に耐えてきた。冬の伊豆合宿では足袋を履いて朝5時から砂浜を10キロ走った。「みんな振りが鋭くなった」と成長も実感していた。

 「創価と戦えると思うと目覚めがよかった」。待ち望んだ試合に、胸のすくような逆転サヨナラ勝利。観戦に訪れた昨夏のエース川嶋大介さん(19)は「1年間の悔しさを吹き飛ばしてくれた」と後輩たちをたたえていた。

 [2008年7月18日9時6分 紙面から]

|

桑田氏長男出番なし/西東京大会

<高校野球西東京大会:桜美林6-2保谷>◇17日◇4回戦

 桜美林がベスト16に進出した。元パイレーツ桑田真澄投手の長男、真樹外野手(1年)の出番は無かった。15日の中大杉並戦の試合前シートノックで右足の指を負傷。しかしダッシュをこなすなど、回復に向かっている。母真紀さんはスタンドで応援。「今日はパパも来なかったし、真樹も出なかったし…。とにかく勝てて良かったです」と笑顔でこたえた。

 [2008年7月18日9時12分 紙面から]

|

横浜創学館1、2番で快勝/南神奈川大会

<高校野球南神奈川大会:横浜創学館6-1金沢>◇17日◇2回戦

 第1シードの横浜創学館が小泉真純左翼手(3年)と中西良太二塁手(3年)の1、2番コンビの活躍で金沢に6-1と快勝した。

 小さな2人が「大きな」仕事をした。1回裏、162センチのリードオフマン小泉が右翼越え三塁打で出塁し、ボークで先制のホームを踏む。続く169センチの中西が左翼席へ運ぶ高校通算15号本塁打。仲良しコンビが長打力攻勢だ。2回は巧打で魅せた。2死三塁から小泉が右前適時打。すかさず二盗し、相棒中西の左前打で一挙生還すると、中西も50メートル5・8の俊足で二盗を決めた。2人で4安打3打点3得点に2盗塁。大技、小技に加え足技も見せた。

 南神奈川では第1シード4校のうち、2校が初戦敗退の波乱の幕開けだった。「みんな初戦で緊張していたのが分かった」と小泉。そこは中学時代(東金沢シニア)でも1、2番を組んだ2人。小泉が出れば中西も続く相乗効果でチームに勢いをつけた。中西は「小泉が初回に打ってくれたので、気分よく続くことができた」と笑顔で話した。

 毎年、優勝候補に挙げられながらベスト4が最高。甲子園に行くために2人はともに進学。小泉は「いい形で初戦を勝てた。1戦1戦、2人でチームに勢いをつけたい」と先を見据えた。

 [2008年7月18日9時16分 紙面から]

|

水戸一ID野球でコールド勝ち/茨城大会

<高校野球茨城大会:水戸一9-2常磐大高>◇17日◇3回戦

 県内屈指の進学校、水戸一の「ID野球」がさえた。昨夏準Vの常磐大高に8回コールドの9-2で快勝し、2年連続の4回戦進出を決めた。

 1、2回は6安打、1四球、2失策に5犠打を絡めた攻めで、7点を奪った。ソツのない攻撃だけでない。勝因はデータ分析による堅実な守備にあった。中山顕監督(37)は「相手のポイントになるバッター。研究していた。データがはまった」と、1番益子亘三塁手(3年)を徹底マーク。8-1で迎えた5回表だった。益子が放った三遊間への鋭い当たりを、栗田拓磨遊撃手(3年)が難なく正面でさばく。栗田は「全部引っ張ってくる。三塁寄りに守備をとり、はまった。完勝です」と、益子を遊撃強襲の1安打に抑え、してやったりの表情だ。ネット裏の“精鋭部隊”が打球の飛ぶ方向を分析、収集してきた成果だった。

 秀才軍団にとってデータを集め、分析するのはお手のもの。今春は東大10人、京大4人、東工大7人、東北大32人、早大97人、慶大53人の合格者を出した。今年は創立130周年を迎える伝統校。「1球入魂」という言葉を生み、「学生野球の父」と呼ばれ、野球殿堂入りした飛田穂州(元早大監督)もOB。学力と野球が融合した「ID野球」が躍進を支えている。

 次は第2シード霞ケ浦。27年ぶりのベスト8進出に最大のヤマとなる。

 [2008年7月18日9時24分 紙面から]

|

報徳学園が昨年決勝対決制す/東兵庫大会

<高校野球東兵庫大会:報徳学園2-0神戸国際大付>◇17日◇4回戦

 昨夏の兵庫大会決勝の再現は、報徳学園が神戸国際大付を返り討ち、2年連続夏の甲子園に大きく前進した。

 ヒーローはドラフト候補の左腕・近田怜王(れお)投手(3年)だった。リベンジに燃える相手を5安打で完封した。最速143キロの速球を駆使し、11個の三振を奪った。近田は「夏の4試合で、一番いいピッチングができました。ここまで支えてくれたみんなのおかげです」といって胸を張った。

 9回完封は、昨夏の兵庫大会2回戦の飾磨工戦以来1年ぶりだった。9球団25人のスカウトが集結する中での完全復活でもあった。永田裕治監督(45)はこの日の試合前に「最後まで代えへんぞ」と送り出していた。その期待にこたえる投球内容に、試合後は「上体が突っ込まず、何より落ち着いて投げていた」と目を細めていた。

 [2008年7月18日9時31分 紙面から]

|

北見北斗、金星流れた/北北海道大会

<高校野球北北海道大会>◇17日◇1回戦

 北見北斗が大会史上に残る大金星を寸前で逃した。今春のセンバツ甲子園代表駒大岩見沢と1回戦で対戦。1年生の島崎良投手を公式戦初先発させる奇策がズバリとはまり、試合中盤まで2-0とリードしたが、6回裏1死二、三塁の場面で降雨で中断。その後天候が回復せず、試合成立は7回と定めた高校野球特別規則により、そのまま南北北海道大会では初のノーゲームとなった。試合は18日の第1試合(午前9時)に順延された。

 土砂降りの雨の中、球審の「ノーゲーム」のコールが無情に響いた。一塁側ベンチで白方伴幸監督(40)は立ったまま、1点を見つめていた。視線の先は水のたまったグラウンド。あと5つのアウトで試合は成立した。「今日勝っていれば起死回生だったが…。出すものはもうない。明日はだれを投げさせればいいのか」。恨めしそうに空を見上げた。

 一世一代の奇策で「ヒグマ食い」まであと一歩まで迫った。白方監督が地区初戦常呂戦で途中1イニングしか登板していない島崎先発を決めたのは14日。直前の練習で好投したことがきっかけだったが、それ以上にその存在を知られていないことが決め手となった。

 選手にその事実が伝えられたのは翌15日夜のミーティング。島崎自身も「まさかと思いました」と驚く抜てきだった。島崎は「だれにもしゃべっちゃいけないと思って」と、トップシークレットと思い込み、両親にさえ伝えなかった。白方監督が「可能性は未知数だがかけてみた」というギャンブルだったが、見事なまでに的中した。

 内外角に散らす絶妙のコントロールで、ヒグマ打線を5回まで無失点と手玉に取った。バックも好守でもり立て、4回には3番堀籠の本塁打で先制。5回には失策に乗じて追加点を挙げた。しかし、6回から雨あしが強まり中断。島崎は「試合を続けたいとものすごく思ってました」と祈ったが、そのままノーゲームとなった。この日の時点で天は北見北斗に味方しなかった。

 それでも、ナインから未練がましさはなかった。奥原主将は「最初は5回で試合が決まらないようにしようと話していたのがここまでできた。雨といっても条件は相手も一緒。明日まで集中力を切らさずにいい流れのまま試合に臨みたい」と士気は保ったままだ。再戦は18日午前9時試合開始。手の内はさらけ出したが、勝敗はまだ何も決まっていない。

 [2008年7月18日9時47分 紙面から]

|

久慈・柏崎完封でシード校撃破/岩手大会

<高校野球岩手大会:久慈1-0久慈東>◇17日◇4回戦

 79年甲子園出場の古豪が、シード校を退けた。久慈が、同じ市内のライバルで第3シードの久慈東に1-0で勝利。エース右腕の柏崎良平(3年)が3安打完封した。今大会注目の速球派右腕・中村智哉(3年)との投手戦を制し、6年ぶりの8強入りを果たした。第2シードの福岡を下した盛岡大付、2連覇を目指す花巻東などベスト8が出そろった。

 「自信」。柏崎は帽子のツバに書いていた。9回2死三塁、一打同点の場面で、この2文字を見つめた。「自信を持って、気持ちで投げました」。8番打者を遊ゴロに仕留め、試合終了。北沢将捕手(3年)に向けてガッツポーズを繰り出した。130キロ直球と90キロ台のカーブで凡打の山を築き、被安打は3本だけ。「ピンチの時、周りが声をかけてくれた」とチームメートに感謝していた。

 5月10日の久慈地区代表決定戦でも、2-1でサヨナラ勝ち。実力では上回ったはずが、久慈東は今春の県大会3位で東北大会に出場。同2回戦敗退の久慈は影が薄かった。「同じ地区にいい投手がたくさんいる。負けたくない」と柏崎。この日は最速141キロ右腕の中村に投げ勝った。田村宏光監督(40)は「柏崎がよく投げた。タイミングを外す投球ができていた」と振り返った。

 女房役の北沢が好リードした。2回と3回に2死満塁のピンチを招いたが、低めへの配球でしのいだ。中学1年の春に父親を亡くし、新聞配達をしながら練習を続けてきた。「いろんな人に支えられた。お世話になった方々に感謝したい」。甲子園まであと3勝。柏崎と北沢のバッテリーが、29年ぶりの夢をかなえる。

 [2008年7月18日12時46分 紙面から]

|

明桜・和田7回完全試合で8強/秋田大会

<高校野球秋田大会:明桜7-0能代商>◇17日◇3回戦

 明桜の左腕、和田幸毅投手(3年)が、能代商戦で7回参考の完全試合を達成した。打者21人に103球を投じ14奪三振、外野に飛んだ打球は1つもなく内野ゴロ5、内野飛球2の圧巻の投球。試合は7回コールド7-0で完勝した。正捕手佐藤祐(3年)が15日の矢島戦で右手小指を骨折。全治6週間と今夏絶望の中、3本柱の1人がチームの勢いを取り戻す快投を演じた。

 背番10の和田がパーフェクト投球を披露した。182センチ、76キロの堂々とした体格がマウンドで躍動する。この日最速136キロの直球と縦横のスライダー、カーブ、スクリューボールを織り交ぜた。3回の9番打者から5回の5番打者まで6者連続三振に切るなど、14奪三振。文句のつけようのない出来だった。

 ただ7回完全にも自己採点は厳しい。「低めに徹底して投げた。少し高めに浮いたから90点」と和田。指揮を執る田中亮監督(37)も「何度か近いことをやっている。いずれこうなると思っていた」と平然と話した。

 今大会優勝候補筆頭といわれる同校に、アクシデントがあった。15日の初戦で1年秋から正捕手の佐藤祐が骨折し、最後の夏が絶望となった。田中監督は「一丸となって、祐の分まで戦おう」と鼓舞したという。和田も燃えないわけはなかった。この日は春まで控え捕手だった背番5の斎藤慶(3年)がマスク。和田は「これまでも組んだことがあるから。投げやすかった」と動じなかった。チームに訪れた危機を、和田が快投で一掃してみせた。

 [2008年7月18日12時46分 紙面から]

|

高野連が2校に対外試合禁止処分

 日本高野連は16日、大阪市内で定例の審議委員会を開き、部員の喫煙と部内暴力があった君津商(千葉)など2校に有期の対外試合禁止処分を、4校の指導者に有期の謹慎処分を決めた。日本学生野球協会審査室(開催日未定)に上申され、正式に処分が決まる。部員の部内暴力があった龍谷大平安(京都)は、報告書が不十分だったため再提出され次第、審議される。上申される案件は次の通り。

 【対外試合禁止】千葉・君津商=部員の喫煙、部内暴力▽長崎・五島南の軟式野球部=部員の喫煙

 【謹慎】神奈川・向上の監督=部内暴力▽神奈川・大楠の監督=盗撮行為▽広島・西条農の監督=部内暴力▽山口・西京の監督=迷惑行為

 [2008年7月17日7時48分 紙面から]

|

五所川原農林・仙庭が初完封/青森大会

<高校野球青森大会:五所川原農林2-0弘前学院聖愛>◇16日◇3回戦

 五所川原農林が、仙庭功也投手(3年)の4安打完封の好投で、弘前学院聖愛を2-0で破りベスト16入りを決めた。青森屈指の左腕が、昨年ベスト8の強豪を相手に、今年初完封を達成。黒滝将悟主将(3年)の適時二塁打などで挙げた2点を守りきった。

 左横手投げから、テンポよく投げ込んだ。被安打4のうち、3本はバントヒット。6回の2死三塁、7回の1死二、三塁のピンチも仙庭は、後続をピシャリと抑えた。1死球8奪三振。後半は3アウト目を取るたびにガッツポーズを見せ、ナインとグラブタッチ。好調さを体で表した。

 仙庭は「今日は良かった。得意な外角へのストレートが決まった」と笑顔で話した。春は、いまひとつ不調。センバツ21世紀枠の東北地区候補校に選ばれ、冬から春に照準を合わせた練習を行ってきた。結局、落選したが、仕上がりのサイクルが春は乱れた。だが、自力で甲子園を目指す最後の夏、調子は最高に仕上がった。

 昨年春の県大会地区予選の五所川原戦で、ノーヒットノーランを記録した。秋は県大会3位で東北大会に出場。だが順風満帆だけではなかった。酒田南との1回戦で、2-0で迎えた9回裏2死から同点にされ、延長10回で敗戦。「あの試合で1球の大切さをあらためて思い知らされた」と仙庭は振り返る。

 この日は、同様な展開ながら同じ失敗は繰り返さなかった。そんな仙庭を平山智順監督(37)は「仙庭は本当に、よく頑張ってくれた。最後の一人を確実に打ち取った。守ったバックもすごい」とたたえた。

 [2008年7月17日11時34分 紙面から]

|

秋田南逆転サヨナラ、涙の8強/秋田大会

<高校野球秋田大会:秋田南5-4金足農>◇16日◇3回戦

 第2シードの秋田南が、劇的勝利で6年ぶりの8強だ。2-4で迎えた9回裏2死満塁、カウント2-2と追い込まれた主将の4番伊藤流馬一塁手(3年)が同点中前打。さらに一、二塁から5番加藤慶一郎捕手(3年)が右中間に二塁打を放ち、5-4で前年優勝の金足農にサヨナラ勝ちした。

 9回裏2死二、三塁。秋田南のベンチの選手は涙していた。ネクストサークルの伊藤流主将も、崩れんばかりの表情だった。「今までやってきた、きつい練習を思い出した」。2年半の思いが走馬灯のように頭を巡った。3番諸井翔二塁手(3年)が四球でつなぐ。熱いものがこぼれた。

 しばしの時間が感情の高ぶりを抑えた。満塁で打席に向かうと、相手投手が代わった。「涙をふいていけよ」。野中仁史監督(38)の声が聞こえた。「もっと野球をやりたい。打つしかない。開き直った」。主将の目が鋭さを取り戻した。残り1球と追い込まれても「冷静に球を見られた」。一振りで起死回生の一打にした。最後は「流馬がつないでくれた。泣きそうだった」という加藤が決めた。伊藤流が3打点、加藤が2打点と、4番と5番の2人で全得点を挙げた。

 人一倍、悔しい思いをしてきた学年だった。1年夏には、先輩たちが3回戦でノーヒットノーランを喫した。昨秋は優勝候補に挙げられながら、県3位決定戦で敗退しセンバツの道を絶たれた。冬場に走り込みとジャンプトレーニングで徹底的に下半身を鍛え抜き、雪辱を胸に迎えた春。だが県決勝で明桜に、0-20と最多得点を奪われる屈辱の敗北。東北大会でも3-10で青森山田にコールド負けと、辛酸をなめ続けた。

 「やるしかないぞ。開き直れ」。東北大会後、野中監督は、そう選手に伝えたという。土壇場でその姿は出た。劇的勝利で笑顔と涙が交錯する輪の中、主将の重責を背負い続ける伊藤流は、喜びにむせび泣いた。

 [2008年7月17日11時34分 紙面から]

|

鹿児島実、4年ぶり16度目/鹿児島大会

<高校野球鹿児島大会:鹿児島実4-2鹿児島工>◇16日◇決勝

 鹿児島実が4年ぶりの夏に名乗りを上げた。宮下正一監督(35)は「今日の1勝を取るために、この1年やってきた。ナイスゲームでした」と選手をたたえた。2点差の9回表2死一、二塁。昨夏の決勝は1点リードの9回裏、神村学園に逆転サヨナラ負けを喫した。そんな悪夢が、チーム全員の脳裏をよぎった。しかし、岩下圭(3年)が投じた「この夏で最高のストレート」が内角低めにズバッと決まった。エースの松窪岬(3年)が不調のため、3回戦の古仁屋戦以外すべて登板。準々決勝、準決勝を連続完封した右腕はこの日も140球を投げ込んだ。「投げる機会が少ない松窪が、1回1回声を掛けてくれた。あいつに甲子園で投げてほしくて…」。苦しむエースにささげる勝利でもあった。湊崎諭史(3年)主将は「甲子園でも鹿児島代表として大暴れしたい。目標は全国制覇です」。1年がかりで悲願を達成したナインが、今度は全国の頂点を目指す。

 [2008年7月17日11時39分 紙面から]

|

川和石田が父に捧げる力投/北神奈川大会

<高校野球北神奈川大会:川和8-5霧が丘>◇16日◇2回戦

 川和(北神奈川)が霧が丘を8-5で破り、3回戦に進出した。15日、直腸がんのため亡くなった横浜打撃投手の石田文樹さん(享年41)の長男翔太投手(2年)が先発。悲しみをこらえながら5回途中まで3安打4点に抑え、父に「白星」を贈った。

 亡き父にささげる力投だった。背番号「20」の石田がマウンドに上がった。7回を無失点と好投した初戦(橋本)とは異なり、4回まで毎回走者を出す苦しい投球内容。「マウンドでは(父の死を)忘れようと思った。私情を持ち込みたくなかったから」と強い意志で投げ抜いた。5回、先頭打者に安打を許し降板したが、4回0/3を3安打4失点。気持ちがこもった70球で試合の流れを作った。

 志願の先発だった。この日、岩本晃典監督(20)から「投げられるか」と聞かれ、「いけます」と即答した。「顔をみても普段と変わらなかった」(同監督)とマウンドに送り出された。171センチ、61キロ。177センチの父より小柄だが、自己最速は135キロ。体全体を使うフォームは父をほうふつさせる。女房役の山田一輝(3年)も「気持ちが入っていました」と右腕の粘投に目を見張った。

 ナインから後押しされた。6-3とリードを広げた4回、茂垣太志主将(3年)が2ランを放ち、突き放した。「頼れるエースと思っています。チームのため、石田のために打ちたかった」。病状を知っていたのはごく一部の学校関係者など数人。部員には誰ひとり知らされていなかった。この日、初めて訃報(ふほう)を知ったナインは「知らないことにしよう」(茂垣主将)と全員、普段通り接した。その打線は9安打8得点と結果で後押しした。

 小2の時に野球を始めた。「自分が(野球の)質問をしないと、教えてくれませんでした」という。だが、病床の石田さんは今大会をどれだけ楽しみにしていたことか。親しい球団関係者が6月に見舞った際、ベッドで日程表を見ながら「4回戦までいけるかもしれない。自分の息子が投げるのは見ていられないんだよね。でも良くなったら、やっぱり試合を見に行きたい」とうれしそうに話していたという。願いかなわず、石田さんは息を引き取った。15日、石田は病院のベットで父をみとった。「ありがとう」。ほとんど意識のない父に感謝の気持ちを込めて、最後の言葉をかけていた。

 昨夏、過去最高となるベスト8進出を果たした。「次の試合も絶対投げたい。ベスト8を超える結果を残したい」と、最後まで気丈に話した。涙はなかった。再三のピンチでも「自分の力でなんとかしたかった」と踏ん張った。石田の元に、この試合の使用球が贈られた。

 [2008年7月17日11時40分 紙面から]

|

PL1年生4番勧野2打点/南大阪大会

<高校野球南大阪大会:PL学園7-1城東工科>◇16日◇2回戦

 清原2世が1安打2打点デビューを飾った。初登場のPL学園は城東工科に7-1と快勝した。同校では清原(オリックス)以来1年生4番で注目の勧野甲輝外野手は、2本の犠飛で2打点を挙げた。

 伝説の始まりは、犠牲フライだった。2-0で迎えた3回1死二、三塁での第2打席。勧野はカウント1-1からのストレートを、中堅に運んだ。向かい風がなければ高校通算2号になっていたかもしれない大飛球。「ベンチに入っておられない3年生の分まで頑張る」と心に決めた新主砲は、追加点のほしい場面で4番の仕事をした。

 12日に16歳になり、最初の対外試合を、清原和博以来の1年生4番で迎えた。スタンドは観客でふくれあがり、2年後の目玉を視察する楽天、ヤクルト、ブレーブススカウトの姿もあった。球場が勧野に注目する中、初回1死一塁の初打席は「力んでバットが(うまく)出なかった」。結果は遊ゴロ併殺だった。

 それでも気持ちを切り替え、結果を生んだ。5回1死二、三塁では右方向へ運んで2本目の犠飛。高校デビュー戦の5月31日の練習試合・立命館宇治戦も視察したヤクルト松田スカウトは「打席でボールを見られるようになってきたし、さすがのバットコントロール」と評した。7回無死一塁では、初安打も記録した。

 2歳から野球の練習を始めた。4歳のとき、自宅の2階を練習場に改造。毎日のようにバットを振る姿を見守ってくれた祖父敦美さん(享年75)が1年前の夏に他界。ベネズエラの世界大会に出場していた勧野は涙ながらに「おじいちゃんを甲子園に連れて行く」と誓った。その祖父の写真をしのばせ、試合に臨む。

 3年生も助けてくれる。初回、先制点をたたき出した緒方凌介中堅手(3年)は「3年が打てば、勧野は楽に打てる。楽に打たせてやりたい」と後輩を思いやった。藤原弘介監督(33)は「点のほしい場面で(犠飛を)よく打ってくれた」とねぎらった。

 83年の1年夏、清原は大阪で2本塁打を放ち、甲子園決勝で優勝につながるアーチをかけた。25年たった今も、清原を超える選手はいない。清原を追う夏が始まった。

 [2008年7月17日9時44分 紙面から]

|

桑田Jr.右足指負傷で欠場/西東京大会

<高校野球西東京大会:桜美林11-0中大杉並>◇15日◇3回戦

 元パイレーツの桑田真澄氏(40)の長男で桜美林(西東京)の真樹外野手(1年)は、公式戦2戦目となる3回戦の中大杉並戦は欠場した。13日の翔陽戦では代打で四球を選んで公式戦デビューしたが、試合前のシートノックの際に右足の指を痛め、大事を取ってベンチから応援した。

 父真澄氏は「いいことばかりじゃない。ベンチで応援することをはじめ、今できることすべてがプラスになる。すべてが野球につながっている」。その言葉通り、足にアイシングしながら選手のサポートと応援に徹し、11-0の5回コールド勝ちを支えた。

 試合後、病院に直行。片桐幸宏監督(49)は足の状態について「高校生だから大丈夫でしょう」と軽症を強調した。次戦は4回戦で保谷と対戦。桑田ジュニアの活躍が注目される。

 [2008年7月16日7時40分 紙面から]

|

横浜雪辱へコールド発進/南神奈川大会

<高校野球南神奈川大会:横浜7-0日大藤沢>◇15日◇2回戦

 南神奈川大会2回戦で横浜が日大藤沢を7回コールドの7-0で破り、初戦突破した。エース左腕の土屋健二(3年)が7回を2安打無失点に抑え、7奪三振と好投した。今春のセンバツでは優勝候補に挙がりながら、北大津(滋賀)に初戦敗退。その雪辱へ向け好発進した。

 横浜が06年以来13度目の夏の甲子園へ好スタートを切った。先発土屋が7回を2安打無失点で、三塁を踏ませなかった。奪った7三振はすべて空振りという力投に、土屋は「高めのボール球を振ってくれた。キレもあったと思います」と胸を張った。

 冷静だった。2、4回に先頭打者を出したが、「相手が動くのが見えた」とそれぞれ一塁けん制でアウトにした。今春センバツ出場校が各地で次々と敗退。土屋は「大事な初戦。緊張感をもって臨むことができました」と振り返り、渡辺元智監督(63)も「本調子ではないが、強豪相手によく抑えてくれました」と目を細めた。

 優勝候補に挙げられたセンバツでは初戦の北大津戦に先発したが、7回5失点でまさかの敗退。渡辺監督から「松坂(レッドソックス)や涌井(西武)のような選手になれる技術はある。あとはピンチでどう踏ん張るかだ」と精神的な甘さを指摘された。練習中は何度も「我慢」という言葉を意識し必死に鍛えた。5月にはセンバツ優勝の沖縄尚学・東浜巨と練習試合で対戦。優勝投手のツーシームを生で体験した。「全国優勝するには新しい球種が必要と思った」と、新球のツーシームとカットボールをマスターした。

 5月下旬には右足人さし指を亀裂骨折するアクシデントもあったが、これで完全復活。強豪校との対戦が続くが「目標は全国制覇です。1戦1戦大切に投げます」。成長した左腕が見据えるのは春の雪辱だ。

 [2008年7月16日9時43分 紙面から]

|

履正社、開明に無安打リレー/北大阪大会

<高校野球北大阪大会:履正社25-0開明>◇15日◇2回戦

 履正社が完勝で、2回戦を突破した。優勝候補の履正社が開明にコールド勝ち。吉田大輝主将(3年=二塁手)らの3本塁打で25点を挙げ、3投手が5回無安打リレーを完成させた。

 春夏連続出場へ、履正社が開明に25-0と5回コールド勝ちで、2回戦を突破した。3投手の継投は計12奪三振、2四球による走者は出したが、相手に1本のヒットも許さなかった。

 先発の橋本悠平(2年)は5者連続を含め、3イニングで6三振を奪った。岡田龍夫監督(47)は橋本について「初回は力んでいたが2、3回は良かった」と評価。2番手の石井禎章(3年)も3者連続三振、3番手の宍野禎大(2年)も3奪三振と危なげない快投リレーを完成させた。

 打線もランニング本塁打を含む3本塁打17安打と大爆発した。2回に高校通算11本目となる3ランを放った吉田主将は「初回がすべて。自分で点を取れなかった」と反省の言葉を口にした。初回無死二、三塁のチャンスで凡退。挽回(ばんかい)の思いが、3ランにつながった。

 自ら先頭に立って、引き締めていかなければならない思いがある。吉田主将は「満足感があった」とセンバツ直後を振り返る。今春のセンバツは2回戦で敗退。しかし、甲子園に出場したことに満足し、走塁でも全力走を怠るなどの“緩み”が見えたという。「誰にでもできることをきっちりやっていこう」と声を掛け、自分にも周りにも厳しくしてきた。この日の大勝にもおごらない。全力で走り大舞台を目指す。

 [2008年7月16日9時4分 紙面から]

|

高陽東が貫禄のコールド発進/広島大会

<高校野球広島大会:高陽東7-0廿日市>◇15日◇2回戦

 第1シードの高陽東が貫禄(かんろく)の7回コールド勝ち! 高陽東は多彩な変化球を持つエース藤本康二郎(3年)が6回1/3を1安打に抑える好投。7-0で廿日市を下し、初陣を飾った。いよいよ16日、優勝候補筆頭の広陵が広島市民球場に姿を現す。

 強心臓エースと機動力。優勝候補の高陽東が初戦から“らしさ”を見せつけた。森宗順平(3年=広陵)内大和(3年=総合技術)とともに今大会注目左腕の藤本が本領発揮。最初の打者を空振り三振に仕留めると、その後は独壇場だった。3種類のカーブと2種類のスライダーで内野ゴロのヤマを築き、時折投げる直球に80キロ台の超スローカーブで凡打のヤマを築く。

 打者心理を手玉に取り、許した安打は背番号と同じ「1」。「本当に心臓が強いね」と始球式に登場した宗政徳道(30=東京ガス)。甲子園初出場に導き8強進出の立役者だった当時のエースも、後輩のマウンド度胸に感嘆の声を漏らした。スタンド観戦の父・繁晴さん(44)も「家でもマイペース」と目を細めた。

 フォーク、スクリュー、チェンジアップ、そして大会直前に習得した2球種は温存した。同ブロックの秋優勝・総合技術、猛打・山陽もこの日、派手な勝利を収めている。順当に行けば4回戦、準々決勝で当たる同じ優勝候補だ。「バッチリ」(藤本)に仕上がった新球種のお披露目はその時だ。

 3犠打、7盗塁と機動力も光った。得点圏に確実に走者を進める。そのための高い技術がしっかりと備わっている。「緊張感があった」(折田裕之監督=42)初戦を7-0の7回コールド勝ち。好発進に「あとは守備のミスをなくすだけです」と主将の矢口貴啓(3年)。そつのない野球と変化球エースを擁する第1シードが、99校の頂点へと突っ走る。

 [2008年7月16日7時42分 紙面から]

|

監督兄&主将弟で初戦突破/北神奈川大会

<高校野球北神奈川大会:旭5-3鶴見工>◇14日◇1回戦

 北神奈川大会で、兄が監督、弟が主将という異例コンビの野球部が初戦を突破した。兄・小寺隆宏監督(20=国士舘大3年)率いる旭は延長10回の末、鶴見工を5-3で振り切った。弟・小寺隼人主将(3年)が先制のホームを踏み、チームを引っ張った。

 勝利の瞬間、兄隆宏は笑い、弟隼人は涙した。延長戦で鶴見工を5-3で振り切った。チームの目標だった初戦突破。隼人が「悲願の初勝利です。本当にうれしいです」と言えば「勝ってくれただけでうれしい。自慢の弟です」と隆宏。この時ばかりは、監督と主将という立場から兄と弟という表情に変わった。

 弟がチームを乗せた。初回。先頭打者として四球を選んだ。すかさず二盗を決めると、後続の安打で先制のホームを踏んだ。この回3点を奪い、主導権を握った。土壇場の9回に追いつかれたが「ベンチのみんなも落ち着いていたし、一体感があった。いけると思った」と隼人。10回2死二塁から相手失策で貴重な2点を奪い、ようやく「目標」を達成した。

 3人兄弟で育った次男隆宏と3歳下の三男隼人。2年前、前任の学生監督が就職活動で辞任するため、後任として同校野球部OBで主将だった隆宏が就任した。2人が同時に同じユニホームを着たのは小学校以来。最初は戸惑いもあったが、そこは兄弟の間柄。隼人の責任感の強さを買って主将に指名したのも隆宏だった。家では野球の話はほとんどしないが、隼人は「やりたい練習や、考えていることは分かる」と話す。初戦突破に、隆宏は「兄弟で一緒に戦えて、今では本当に良かったと思う」と目を細めた。

 隆宏は今年でユニホームを脱ぐ。「教師になってもう1度監督になりたい」という夢を果たすため、学業に専念する。兄と弟の最後の夏は、まだ始まったばかりだ。

 [2008年7月15日7時59分 紙面から]

|

広島商、薄氷の初戦突破/広島大会

<高校野球広島大会:広島商2-1油木>◇14日◇1回戦

 名門が薄氷の勝利で初戦を突破した。3日目は14日、広島市民球場などで1回戦16試合が行われた。コカコーラウエスト野球場では夏の甲子園出場22回、優勝6回の広島商が満を持して登場。油木のエース馬屋原徹(3年)の前に「0」行進が続いたが、9回に追いつき、延長12回にサヨナラ勝ち。苦しみながら初戦を突破した名門が、安西の待つ2回戦に駒を進めた。

 2時間50分に及ぶ死闘の幕切れは突然訪れた。1-1のまま突入した延長12回2死一、二塁。マウンドには油木先発の馬屋原徹、打席には9回に同点打を放った松原拡希(3年)。運命の5球目だった。二走の上松諄一郎(2年)がノーサインで三盗を仕掛ける。

 中岡健太捕手(3年)の送球が逸れるのを視界の隅にとらえると、迷わず三塁ベースを蹴った。本塁に頭から突っ込む人生初のサヨナラホームイン。「勝負しました。満足感があり、うれしいです」と興奮冷めやらぬ上松。

 名門がなりふり構わずに勝負した。エース末政純(3年)が初回に連打で先制を許すと、相手エース馬屋原徹の前に8回まで3度の3者凡退など、わずか3安打…。「攻撃面で悪戦苦闘」(播本将太主将=3年)する間に、気付くと9回まで進んでいた。

 この回先頭の平岡義貴(3年)が執念の中前打で出塁。勝負どころで田代秀康監督(52)がすかさず動いた。100メートル11秒9の俊足・上松を代走に送る。向井伸(3年)が手堅く送り1死二塁に。次打者が倒れてがけっぷちの中、松原が三塁線を破った。

 好発進とはほど遠いが、44回大会(1962年)以来となる初戦敗退(三次との2回戦、2-4)は免れた広島商。「苦戦も苦戦。ただ守って後半勝負は成し遂げた」と田代監督。起死回生の同点打を放った松原は「追い込まれていたが平常心だった」。全国的知名度を誇る名門が、苦しみながらも初戦を突破した。

 [2008年7月15日7時55分 紙面から]

|

浪商の謹慎くん、みそぎ2発/南大阪大会

<高校野球南大阪大会:大体大浪商14-0和泉総合>◇14日◇2回戦

 大体大浪商の謹慎クンがみそぎの2発を放った。優勝候補の大体大浪商が5回コールドで圧勝した。3月に寮を脱走し、春季大阪府予選は謹慎していた石垣良純左翼手(3年)が2打席連続本塁打を放った。プロ注目のエース宮川将(3年)も4回1被安打無失点と好投した。

 ドカベン香川の母校に、今夏も楽しいキャラクターが出現した。背番号16の石垣は、3回1死二、三塁でランニング本塁打を放ち、4回には右翼スタンドへ高校通算9号。2打席連続アーチで4打点をたたき出した7番打者は「この夏、背番号をいただけるとは思わなかったんです」と打ち明けた。

 3月11日のことだった。コーチに注意されて頭に血が上り、ジャージ姿で寮を飛び出した。実家に戻ってはみたものの「家にいたら監督に見つかる」と、今度は家出。「とりあえず風呂に入って、すっきりしよう」と、自宅近くの健康ランドにひそんで一晩を過ごした。だが風呂につかって落ち着いてみたら「バカなことをしたもんや」と、後悔しきり。意地を張っていたら野球を続けられなくなると気づき、決まりが悪い思いをしながら家に戻った。

 「帰って来ました」と家族から連絡をもらい、下条真佐実監督(34)も一安心。「一晩たっても帰って来なければ、みんなで探しに行くぞ」と104人の部員に石垣捜索令を出していた。寮に戻り、コーチに謝った石垣を再び受け入れた監督は「ひたむきで一生懸命なところがある」と、気持ちを買った。ただし、春の近畿大会大阪府予選中は謹慎処分。その後再び、石垣に背番号を託した。

 「自分のためにベンチ入りを外れた仲間がいるんです。あいつがチームに戻ってよかったと思ってもらえるよう、結果を出さなければいけないんです」。深く反省した謹慎クンが、29年ぶりの夏の甲子園にチームを引っ張って行く。

 [2008年7月15日8時15分 紙面から]

|

北照・阿世賀準完全試合/南北海道大会

<高校野球南北海道大会:北照2-0函館大有斗>◇14日◇1回戦

 北照の左腕エース阿世賀亮(3年)が、函館大有斗を相手に「準完全試合」を達成した。許した走者が内野安打の1人だけという、2-0での完封劇。昨秋の駒大岩見沢との道大会決勝はサヨナラ被弾に泣き、今春はチームの不祥事で大会出場を辞退した悲運の主将。無念の涙を乗り越え、目指す甲子園まであと3勝とした。

 もう無念の涙は、流さない。阿世賀の思いの強さが生んだ「準完全」だった。抜群の制球でストライクを先行させ、自慢の縦のカーブで凡打の山を築いた。許した走者は3回の内野安打の1人だけ。80球、わずか1時間23分の試合時間に、甲子園への熱い気持ちを凝縮させた。

 そんなエースに、待望の先取点をプレゼントしたのが俊足の原田だった。0-0で迎えた6回。1死二、三塁から水崎が浅めの左邪飛を上げた。突っ込めるかどうか微妙だったが、足に自信のある原田は「行ける」と読んで果敢にタッチアップ。同校「生徒会長」の判断は正しかった。7回には小本、西田の下級生たちが長打で2点目をもぎ取った。

 地区予選では制球が定まらず苦戦が続いた。それを修正すべく、10球続けて同じ場所に決まらないと、投球をやめないという練習に取り組んできた。「なかなか決まらず、150球になったこともありました」。特訓が、この日の快投につながった。

 昨秋の全道大会決勝では駒大岩見沢に延長10回、サヨナラ本塁打で敗れた。飛躍を期し、厳しいトレーニングのオフに突入した。だが部内で同級生部員の生活態度をいさめる行為が行き過ぎ、集団暴力事件へと発展。春は地区予選から出場を辞退、練習試合もできなくなった。

 3年生たちは何度も自分たちだけでミーティングを開き、出直しに努めた。常にその中心にいたのが主将の阿世賀だった。河上敬也監督(49)は「不祥事はあったが、決して乱暴な子らではない。つらい期間をこらえ再出発を期している姿を見ると、何とかしてやりたいと思った」という。

 阿世賀は「秋の負け方、春の出られなかった期間。いろいろあって本当に悔しかった。でも精神的には成長できたと思う。(上で)駒大苫小牧と当たったら、先輩たちの分まで気持ちをぶつけたい」。167センチの小さなエースがグイと胸を張った。

 [2008年7月15日9時42分 紙面から]

|

大曲が第4シード倒す金星/秋田大会

<高校野球秋田大会:大曲1-0秋田中央>◇14日◇2回戦

 創立100周年を迎えた大曲が、番狂わせを演じた。第4シードの秋田中央を1-0で下し、2年連続の3回戦進出を決めた。先発した背番11の左腕、佐藤滉大投手(3年)が、強打の相手打線を散発3安打に抑え公式戦初完封勝利。得意の縦に大きく割れるカーブを武器に、三塁を踏ませぬ快投を見せた。

 直球は130キロに満たなくてもキレがある。変化球でも、真っすぐと同じように鋭く腕を振る。端正なフォームで投じる佐藤滉がシード食いを演出した。135球での完封劇に、最後は何度も両拳を握った。「やっと勝った。試合中は長かった」。1点を守る重圧から解放され、笑った。

 「一番自信がある」という、大きく鋭く曲がる縦のカーブを有効に交えた。一転して内角を突く強気な投球も、相手打線に的を絞らせなかった。「攻めていった」と、6四死球のうち3死球も気にしなかった。フィールディングも抜群だ。足を絡めた攻撃を得意とする相手に、盗塁を許さなかった。秋田中央の桑原康成監督(32)も「けん制がうまい。あの子からは走れない。(サインを出せば)ギャンブルになる」と舌を巻くほどだった。

 連投も平気だった。前日13日の由利戦は125球で2失点完投。「連投で調子は良くなかったけど、気持ちで投げた」と佐藤滉。冬場、雪の積もる中でも、自宅から学校まで約6キロの道を走って通った自信もあった。それと同時にフォームも完成させた。昨秋ビデオでチェックし「カーブと直球が違うのはいけない。いろいろチャレンジした」と修正。横浜工藤をイメージすることもあったという。

 驚くことに、小中高と1度もエースナンバーをつけたことがない。最後の夏も背番11。だが先発させた太田弘史監督(40)は「一番いい投手を出すと決めていた」と、エースと認める。佐藤滉には、その自覚と自信も出た。同校節目の年に「優勝を狙っていく」。過去最高成績は62、82年の4強。背番1でなくとも、佐藤滉は1番上を目指す。

 [2008年7月15日11時52分 紙面から]

|

弘前学院聖愛が5投手リレー/青森大会

<高校野球青森大会:弘前学院聖愛9-1青森戸山>◇14日◇2回戦

 昨年ベスト8の弘前学院聖愛が、青森戸山を9-1(7回コールド)で下し3回戦に進出した。5人の投手全員が登板し、1安打リレー。打線は13安打と爆発し、順調なスタートを切った。

 先発一戸祐太郎(3年)は3回を無安打0点。2番手の左腕成田圭祐(2年)は4、5回に6人をすべて三振に封じた。だが指揮官は好投する投手を惜しげもなく代えた。「夏の大会は独特な雰囲気。ある程度リードすれば、投手全員に経験を積ませたかった」と原田一範監督(30)。思惑通りに初戦を終えた。

 昨年の4回戦で光星学院を破った。その原動力の一戸が3月に腰を痛め、この日が今年の公式戦初登板だった。4四死球を出したが「悪いなりに投げられた。腰はもう大丈夫。練習試合で投げているので、試合の勘も取り戻してる」と表情は明るい。

 成田はカーブを有効に使い見逃し1、空振り5の6三振を奪った。「ちょっと肩が痛いが、下半身を使うことを心掛けたら、かえって球が走った」。ベンチ入り投手陣でただ1人の2年生は「大会の雰囲気に負けず、今後は三振でなく打たせて取りたい」と話した。

 創部8年目ながら05年に4強、昨年ベスト8と強豪の仲間入り。同じ私立の青森山田、光星学院に追いつき追い越せと強化する。光星学院には勝ったが、青森山田とはまだ対戦がない。「昨年の成績は先輩たちのおかげ。今年は、自分が3年生として引っ張らなくては。まずは青森山田と対戦するまで負けられない」と一戸は語気を強めた。

 [2008年7月15日11時54分 紙面から]

|

東海大山形・赤間5回1失点/山形大会

<山形大会:東海大山形11-1鶴岡南>◇14日◇2回戦

 東海大山形のプロ注目右腕・赤間謙(3年)が、初戦となる鶴岡南戦に先発。5回を2安打1失点に抑え、無難なスタートを切った。直球にブレーキの利いた110キロ台のチェンジアップを織り交ぜ、9奪三振。鶴岡南打線に的を絞らせなかった。試合は11-1の5回コールドで快勝。13年ぶりの夏制覇に弾みをつけた。

 プレーボールの余韻が冷めやらぬ先頭打者への2球目。スコアボードには、この日最速の142キロが表示された。ただし、押しの一辺倒ではない。赤間はスライダーとチェンジアップも効果的に織り交ぜ、鶴岡南打線を手玉に取った。「まだ全力ではありません。今日は楽しくできました」。試合後は余裕の笑顔だ。

 1年の歳月が、赤間を山形屈指の好投手に成長させた。昨夏準々決勝の日大山形戦は、先発で4回に3失点し途中降板。今年はその経験を生かし、序盤から力でねじ伏せる投球から、9回を130キロ台後半で投げきるスタイルに変えた。武田宅矢監督(30)も「今日は抜いた球のコントロールが良かった。低めに行けば打たれない」と満足げだ。

 ある日の冬の練習も、自信の裏付けになった。武田監督が東海大五(福岡)時代に体験した「耐寒行進」をヒントに、深夜0時から朝6時半までの室内練習を敢行。明け方には雪の中でのダッシュもした。赤間も「精神的にも強くなったし、スタミナも付いた」と振り返る。

 そんなプロ注目右腕に、指揮官も13年ぶり7回目の夢を託す。「赤間と心中したいと思います」。全幅の信頼が、武田監督の言葉に込められていた。

 [2008年7月15日12時47分 紙面から]

|

興誠、プロ注目の江越が9K/静岡大会

<高校野球静岡大会:興誠5-2浜松南>◇14日◇2回戦

 第2シード興誠は5-2で浜松南を下し、第3シードの東海大翔洋は5回コールド発進も、第5シード三島は2-3で浜北西に競り負けた。3回戦は19日、7球場で16試合が行われる。

 最後は怒りの投球だった。第2シード・興誠のプロ注目右腕江越裕樹(3年)が9回7安打2失点9奪三振ながら、自己採点は「0点の投球」(江越)。試合後は何度も首を振った。

 前夜13日は「公式戦の前にしては珍しく熟睡」でき、午前5時1分に目覚めた。近所のコンビニまで散歩をし、家族5人で朝食を食べているとき冗談で「緊張するなー」と言った直後から、極度の緊張に襲われた。試合前に必ず2杯は食べるという「豚肉の焼き肉丼」を1杯目の3分の2を食べた所ではしが止まった。その時、前日13日の少年野球大会で特大本塁打を放った弟竜真君(泉小6年)の両手を10秒間、握り締めパワーを吸収。初戦の緊張も、何とか乗り切った。

 9回にこの日、最速135キロを記録し、勝利の瞬間は「オッラァー」とほえたエース。1年秋から強豪・興誠の背番号1を背負う江越の夏が始まった。

 [2008年7月15日12時39分 紙面から]

|

静高が静商破りVへ弾み/静岡大会

<高校野球静岡大会:静岡6-3静岡商>◇14日◇2回戦

 2年ぶりとなった静岡-静岡商の名門対決は、6-3で第5シードの静高に軍配が上がった。3回に8番高橋司投手(2年)が先制打し、5回には4番山崎大輝遊撃手(3年)の本塁打で追加点。投げては高橋が3失点完投と、投打の主役が仕事を果たした。

 名門対決の均衡を破ったのは、意外な男の一打だった。0-0の3回表2死一、二塁。右投げだが左打席に入る静高先発の8番高橋が、先制右前打を放った。「逆方向を狙っていたけど、打球が一、二塁間にいった。あまり(打撃)練習していないので、まぐれです。まさか自分が打つとは思わなかった」。1、2回と満塁の好機を逃し、直前には7番大石新悟捕手(3年)がスクイズ失敗。嫌な流れをひとまず断ち切った。

 主砲の一発で勢いを増した。5回。先頭の4番山崎大輝遊撃手(3年)が、内角直球に体勢を崩しながら、バスターで右翼ポール際に打球を運んだ。「つなぐ気持ちだった。体が回転したら入っちゃった。切れなくてよかった」。大会2日前から、誰に言われるでもなく「トップが取れて、しっかりボールが見られるから」とバスター打法に取り組んできた成果を出した。

 4月に就任した栗林俊輔監督(35)が「自分で考えてやれる」と感心する頭脳派軍団。定期戦では相手先発の鈴木貴博(2年)に完封されたが、敗因を「荒れ球を早打ちしてしまった」と分析していた。チーム一丸となって待球作戦を貫き、鈴木には2回 1/3 で63球を投げさせた。毎回の16安打を浴びせ、06年夏から定期戦を含めて3連敗していたライバル静商に完勝した。

 6回に相手2選手が負傷し、31分間の中断があった。気持ちの切り替えが重要だとは知りながらも、静商・金子遊撃手と友人関係にある山崎、大石らは「大丈夫かな」と心配していた。2年前はライバル対決に勝った静商が32年ぶりに優勝した。3時間36分の熱戦を制した静高ナイン。無念の退場となった友の分も、5年ぶりの甲子園に行くしかない。

 [2008年7月15日12時53分 紙面から]

|

駒大苫小牧、コールド発進/南北海道大会

<高校野球南北海道大会>◇15日◇1回戦

 駒大苫小牧が10-0の6回コールドで江別を下し、1回戦を突破した。2年生エース大沼和樹が2安打散発、三塁を踏ませない好投を見せれば、打線も3回以後、長打を連発。最後は4番真田大輔主将(3年)の左越え2ランでコールド勝ちした。駒大苫小牧で2年生が夏に背番号1を付けるのは10年以上もなかったこと。大沼は「このチームの背番号1は重みが違う。田中さん(現楽天)のような空気を身につけたい」と話した。

 [2008年7月15日15時11分]

|

桑田Jr、3回戦は出番なし/西東京大会

<高校野球西東京大会>◇15日◇3回戦

 前パイレーツ投手の桑田真澄氏(40)の長男、桜美林の真樹外野手(1年)は中大杉並戦。2回戦の翔陽戦同様、ベンチスタートとなり、今回は出番が回ってこなかった。初戦は代打で出場し四球を選んだ。この日も父真澄氏がネット裏で観戦した。

 試合は11-0で5回コールド勝ち。3投手で相手打線をノーヒットに抑えるなど快勝した。次戦4回戦は17日。16強入りを目指し保谷と対戦する。

 [2008年7月15日14時44分]

|

合川の142キロプロ注目右腕小林/秋田

 夏の高校野球秋田県大会組み合わせが26日、秋田市内で行われ、プロ注目右腕、小林直哉投手(3年)擁する合川(あいかわ)は1回戦で前年覇者の金足農と対戦する。中央では無名も、最速142キロの直球とスライダーが武器。5月の県大会2回戦秋田戦で2-3で敗れたが、3回まで打者9人から7奪三振。集まった7球団のスカウトも序盤の投球にうなった。今月に入り自己最速をマークするなど、練習試合では直球のみで2試合を完封。青森の強豪、光星学院にも完投勝ちするなど、徐々に調子を上げている。北秋田市にある小規模校で、11年には統合が決定。「名を残したい」と意気込む。山あいに生まれた怪腕が、校名も小林の名もこの夏に刻む。

|

苫小牧中央佐藤が完全1号/南北海道大会

<高校野球南北海道大会:苫小牧中央6-0室蘭栄>◇26日◇室蘭地区2回戦

 苫小牧中央の右腕エース佐藤賢太投手(2年)が、今夏第1号の完全試合を達成した。室蘭栄を相手に9回7奪三振、内野ゴロ12、外野フライ8の内容だった。

 178センチから繰り出す速球を武器にするが、打たせて取り凡打の山を築いた。内野ゴロと外野フライで20個のアウトを積み上げた。佐藤賢以外の8人は全員が3年生で「3年生の守りやかけ声に助けられました」と先輩への感謝を表した。中学時代までは外野が主だったが、高校入学後に本格的に投手を任されるようになった。チーム内の競争もあって成長してきた。投手は2年生3人が主力。エースの「1」は、昨秋は佐藤賢だったが、今春は同じ右上手投げの広川勇樹が背負った。もう1人、右横手投げの中野翔平とともに「いい意味で刺激し合っている」と、渡辺宏禎監督(39)は言う。1回戦のえりも戦では、佐藤賢-中野のリレーで5回完全に抑えており、いまだ1人もランナーを出していない。勢い十分に、代表決定戦に向かう。

|

東川43連敗で止めた/北北海道大会

<高校野球北北海道大会:東川10-3羽幌>◇26日◇旭川地区1回戦

 東川が羽幌を10-3の8回コールドに沈め、ついに公式戦の連敗を止めた。2-3で迎えた5回、4連打などで3点を奪い逆転し、8回に八重冬樹左翼手(3年)がサイクル安打を完成する2点本塁打を放ち、試合を決めた。チームは92年春以来公式戦43連敗を続けていたが、へこたれることなくチャレンジを続け、16年ぶりの歓喜にむせんだ。

 選手の目が潤んでいた。女子マネジャーも大泣きしていた。だが誰より藤崎知紀監督(46)の声が震えていた。「東川野球部の過去の選手全員に、この勝利を贈りたい」。長かった屈辱の歴史にピリオドを打つ、大きな大きな1勝。勝利の女神が16年ぶりに東川にほほえんでくれた。

 2-3で迎えた5回、4連打と敵失から3点を奪い逆転。6回にも加点。そして迎えた8回裏。4本の安打を集中し一気に決めた。最後は八重が右翼へランニング2点本塁打を放ちコールドが決定。だが、それに気づかず誰もベンチを飛び出さない。喜び合い方も知らない。それでも個々の顔はしっかり笑っていた。

 スタートは例年以上に弱いチームだった。昨秋は練習試合で1勝もできず、練習の士気も上がらなかった。冬も近いある日。ロードワークに出たナインはこっそり近道をした。だが藤崎監督にはお見通し。問い詰めると小林貴大主将(3年)は「実は近道をしました」と白状した。「それを聞いた時、こいつら何とかなるかなと思った」と指揮官。オフは体育館で20メートルダッシュを100回、スクワット500回という過去にない猛トレを課したが、誰1人辞めなかった。

 郡部の小さな高校の、特筆すべき実績もない野球部。中学時代に野球をやっていた者ですら、この高校では野球部に振り向かない。そうした高校は、いつしか大会に出なくなり自然に部は消滅していく。だが東川は違った。

 97年に就任した藤崎監督は、入学してくる30人ほどの男子に、経験者、未経験者を問わず毎年手紙を出し続け、挑戦を続けた。エースの大西涼(2年)は「公式戦で1勝したかったから監督を信じてやってきた。僕らの士気が落ちていた時『オレも勝ちたいんだ』といった言葉を覚えている」と、“変わった”きっかけを話した。16年ぶりに歴史を塗り替えたナインは、新しいページに再びチャレンジしにいく。

|

金山・高橋「亡き友の夢叶えたい」/山形

全国高校野球山形県大会の組み合わせ抽選会が26日、山形市内で行われた。

 昨年、19年ぶりの夏1勝を挙げた山形・金山は、正捕手の星川博人(当時2年)が1月に死去。2年連続の勝利を、亡き友にささげる。

 10人の部員を引っ張る高橋裕二主将(3年)は「強い相手でも、自分たちが今できることをやりたい。けど、戦力は去年よりも…」と言葉を詰まらせた。どうしても、この夏を逃せない理由があった。

 誰よりも野球が好きで、誰よりもこの夏を楽しみにしていた選手がいた。今年1月8日、始業式の朝。高橋は同級生だった星川さん(享年17)が前日の朝亡くなったことを聞かされた。急性白血病だった。

 星川さんは昨夏、捕手として3年生投手を好リードし勝利に導いた。だが3年生の引退後、4人になった野球部はまとまった練習ができず、部としては「活動停止状態」に陥る。それでも星川さんだけは練習を続け、夏休みには隣町の真室川高の練習にも参加した。たったひとりになっても、星川さんは2年連続の白星を信じていた。教室では高橋と「春になったら1年生をたくさん集めて野球をやろうな」とも話していた。

 今年の新入部員は2人。彼が願った大会出場を実現させるためにボート部、バドミントン部、バスケットボール部から計4人の助っ人を集め、3年生の再入部員1人を合わせ10人で今大会出場にこぎ着けた。初戦は13日の酒田東戦に決まった。抽選会後、高橋は星川さんの家を訪れ、抽選結果を報告した。亡き友の夢の続きを、チーム全員で実現させる。

|

一関一岩渕が宣誓で被災者にエール/岩手

全国高校野球岩手県大会の組み合わせ抽選会が26日、盛岡市内で行われた。

 被災地に勇気を、光を-。岩手では、岩手・宮城内陸地震の震源地に近い2校が、開幕日に登場することが決まった。一関一の岩渕大輔主将(3年)が選手宣誓を担当し、水沢農が第2試合に出場。メッセージとプレーで被災者を励ます。

 抽選会に続いて行われた、選手宣誓役を決めるくじ引き。岩渕は、壇上で発表された番号を聞いて、耳を疑った。「油断していた。びっくり。78校もあるから、安心していた」。他校の主将たちと一緒に、笑うしかなかった。

 ただ、切り替えも速かった。岩手・宮城内陸地震では、一関市でも震度5強を観測。現在でも国道の通行止めや断水が続き、避難所も設けられている。「宣誓には『全力疾走』とか『あきらめない』という言葉を入れたい。これからじっくり考えます」。被災者へのエールも盛り込まれることになりそうだ。昨年春の東北大会で優勝。今春は軟式野球部が東北大会を制覇した。今度は自分たちが旧制一関中以来、62年ぶりの夏の甲子園を目指す。

 震源地の奥州市内の高校では、水沢農が最初に登場する。開会式後の第2試合で、注目度は高い。右腕エースの後藤肇主将(3年)は「被災者の皆さんが元気になるように、自分たちのベストを尽くしたい」と力を込めた。学校の授業では稲作を研究中。「今が稲には大切な時期。断水は大変だと思う」と被災農家を気遣った。甲子園出場歴のない無名校の躍進が、被災した地元市民に力を与える。

|

東川が16年ぶり勝利/北北海道大会

<高校野球北北海道大会>◇26日◇旭川地区1回戦
東川が10-3で羽幌を破り、ついに公式戦の連敗を止めた。2-3で迎えた5回裏、4連続長短打で3点を挙げ逆転した。8回裏には八重冬樹左翼手(3年)のランニング本塁打まで飛び出し、コールド勝ちを収めた。チームはこれまで公式戦43連敗を続けていたが、ついに92年春以来16年ぶりの勝利を手にした。就任12年目の藤崎知紀監督(46)は「この勝利は過去のすべての部員に贈りたい」と男泣きした。なお八重はこの試合でサイクル安打を達成した。

|

苫小牧中央佐藤が完全1号/南北海道大会

<高校野球南北海道大会:苫小牧中央6-0室蘭栄>◇26日◇室蘭地区2回戦

 苫小牧中央の右腕エース佐藤賢太投手(2年)が、今夏第1号の完全試合を達成した。室蘭栄を相手に9回7奪三振、内野ゴロ12、外野フライ8の内容だった。

 178センチから繰り出す速球を武器にするが、打たせて取り凡打の山を築いた。内野ゴロと外野フライで20個のアウトを積み上げた。佐藤賢以外の8人は全員が3年生で「3年生の守りやかけ声に助けられました」と先輩への感謝を表した。中学時代までは外野が主だったが、高校入学後に本格的に投手を任されるようになった。チーム内の競争もあって成長してきた。投手は2年生3人が主力。エースの「1」は、昨秋は佐藤賢だったが、今春は同じ右上手投げの広川勇樹が背負った。もう1人、右横手投げの中野翔平とともに「いい意味で刺激し合っている」と、渡辺宏禎監督(39)は言う。1回戦のえりも戦では、佐藤賢-中野のリレーで5回完全に抑えており、いまだ1人もランナーを出していない。勢い十分に、代表決定戦に向かう。

|

日大山形V3不安/山形展望

 夏3連覇を目指す日大山形は春季県大会で羽黒に敗れ不安を残す。逆に勢いがあるのは東北大会準優勝の酒田南。それをはばむのが強力打線の東海大山形、投手層の厚い山形中央だ。総合力が高い米沢中央、米沢工、鶴岡東、鶴岡工からも目が離せない。

|

横手城南は1年生21人で食らいつく/秋田

全国高校野球秋田県大会の組み合わせ抽選会が26日、秋田市内で行われた。

 秋田では、今年4月に女子校から共学化した横手城南が公式戦初登場。1年生21人で初勝利を狙う。

 初めての抽選会にも、横手城南・岡本和磨主将(1年)は堂々としていた。相手が甲子園出場経験のある古豪の能代商に決まっても「全員で食らいつく」とグッと力を込めた。選手登録は20人だが記録員を入れれば1年生21人が全員、ベンチに入る。まさに「全員野球」で臨む初公式戦だ。

 62人の男子生徒のうち、約1/3が野球部員。入学式の翌日から本格的な練習ができた。女子校時代の昨年度から予算が組まれ、柴田創一郎監督(34)を中心に道具の調達などに奔走したためだ。練習は、隣接する市営球場に1カ月前に申し込んで行っている。

1年生だけでも、負けるつもりはない。ここまで練習試合は9戦3勝だ。柴田監督は「今しかないと試合するのと、次もあると試合をするのでは雲泥の差がある。勝負への執着心をこの2週間でつけさせたい」。5年後には学校創立100周年。顔となるべくスタートした野球部が、初めての夏を迎える。

|

東海大四が辛勝で発進/南北海道大会

<高校野球南北海道大会>◇25日◇札幌地区2回戦

 春の北海道大会覇者、東海大四が辛勝で春夏連覇に発進した。6回に4番伏見寅威捕手(3年)のソロ本塁打が出たが、11安打を放ちながら10残塁で3点止まり。走塁ミスも重なり、辛くも1点差での逃げ切り勝利だった。大脇英徳監督(33)は「受け身にならないように選手たちもやっていかないといけない。いい勉強になったゲームでした」と振り返っていた。

|

駒大岩見沢・坂木復活0封/北北海道大会

<高校野球北北海道大会:駒大岩見沢9-0砂川>◇27日◇空知地区3回戦

 駒大岩見沢にセンバツ時のエースが戻ってきた。板木勇幸(3年)の「夏」は3回戦の砂川戦で開幕、先発し5回をゼロ封した。得意のスライダーと速球を駆使して奪った三振は8個。5安打を許したものの、うち2本は詰まった当たり。要所を三振で締め「いい感じで投げられた」と2番手にマウンドを譲った。

 センバツでは制球に苦しみ納得いく投球ができなかったが、問題はその後だった。疲れから左ヒジに痛みが出、長い休養を余儀なくされた。春の地区予選に間に合わず、背番号1は沼館善治(3年)に渡った。全道ではヒジを気にしながらのマウンドで、自分の投球を忘れてしまった。釧路工戦は8球で降板。北海道栄戦は3回で交代した。

 栄光の後にやってきた大試練。「ホントに苦しくて、投球をしていても楽しくなかった」と振り返る。春の大会後、高橋真次監督(33)は遠投からの出直しを指示。板木は毎日10~20球の遠投で、思い切り腕を振り続けた。それが実り、良かった時の腕の振りが復活。人なつこい笑顔も戻ってきた。「今日は周囲に自分から声をかけていた。春の全道では僕の方しか見ていなかったのに」と捕手の松本駿主将(3年)。

 今も背番号は10のままだが、板木がマウンドにいるといないとではチームの座りが違う。高橋監督も「やっと戻ってくれた。沼館の存在も刺激にして、きっちり仕上げてくれた」と、前エースをたたえた。3季連続の甲子園へ向け、ヒグマは万全の態勢で突っ走る。

|

出水中央がナイター制す/鹿児島大会

<高校野球鹿児島大会>◇1日◇1回戦

 出水中央が鹿児島初ナイターを制した。伊集院相手に2-1で迎えた6回裏の攻撃中に雨が激しくなり、2時間2分の中断。グラウンド整備中に球場の照明がともり、午後7時から再開後も1点差を守り切った。

 荒木淳監督(32)は「こういう展開は、リードしている方が難しいが、うまくリセットできた」と話した。2回に決勝の左越え二塁打を放った3番上野僚也(3年)は「春まで調子が悪かったが、最近は落ち着いてボールを見られるようになった。自信になるヒットだった」と、4年連続の初戦突破に笑みを見せた。

|

池田が2年ぶり夏1勝/鹿児島大会

日刊スポーツ(07月01日20時12分)

<高校野球鹿児島大会>◇1日◇1回戦
 池田が中種子・種子島中央を9-4で下し06年以来、2年ぶりの夏1勝を挙げた。1回表、1番有馬義博(3年)の右前打、4番久徳大貴(3年)の右翼線二塁打などで2点先制。2回に1点、6回に6点を追加して11安打9点と主導権を握った。福島竜太監督(32)は「大量点は想定していなかったが、要所で手堅い野球ができた」と安定した試合運びを評価した。

|

第90回全国高校野球:徳島大会 組み合わせ決まる 34校参加、11日開幕 /徳島

 第90回全国高校野球選手権記念徳島大会(県高野連、朝日新聞社主催)の組み合わせ抽選会が30日、徳島市北田宮1の県教育会館で開かれた。23日の決勝戦までの11日間、甲子園の切符をかけた試合が繰り広げられる。

 参加34校の監督や部長、主将が出席。第1シードから順に小松島、富岡西、阿波、徳島商の4校以外の各チーム主将がくじを引き、試合の組み合わせが決まった。記念大会の今回は、11日の開会式でベンチ入りする選手以外の3年生も統一の背番号「21」を着けて行進するほか、行進の順番も創部の古い伝統校から行われる。

 選手宣誓をすることになった川島高の川端悠寛主将は「選ばれて正直びっくり。県の代表として元気よく宣誓します」と話していた。

毎日新聞 2008年7月1日 地方版

|

135番目の初陣:慶成ナインの挑戦/上 硬球の恐怖心払しょく /福岡

 「思い切っていけ」「よし来い!」。グラウンドに選手と監督の声が響き合う。北九州市小倉北区の私立慶成高校。軟式から硬式に転じて初めての“夏”がやって来た。甲子園を目指して132チーム(135校)が激突する第90回全国高校野球福岡大会に唯一初出場する慶成野球部を追った。

 ◇初の公式戦、強豪相手に手応え
 「キャッチャーマスクをつけろ」

 昨年11月、大野泰雄監督(30)は部員に指示した。手にはこの日買ってきた硬球。それを、マスクとグラブをつけ身構える部員めがけ、次々と投げ込んだ。軟式しか経験のない部員に、ズシッと重い球の感覚や跳ね方を覚えさせ、恐怖心を払しょくするのが狙いだ。「よし、次!」。一人一人、特訓は日没まで続いた。

   ◇

 97年まで女子高だった慶成に軟式野球部ができたのは3年前。校庭が狭く、硬式は到底無理だった。今でも一塁のすぐ後ろに砂場と柵があるため外野ノックができない。打撃練習はテニス部から譲り受けた使い古しのテニスボールを使う。

 硬式に転じたきっかけは区内の私営グラウンドが週2回使えるようになったためだ。学校創立50周年(08年)も重なり、大野監督が半ば強引に創部へ導いた。だが、部員は当初戸惑った。大半が中学時代は野球部の補欠か、あるいは全くの未経験者。「どうせ勝てっこない」。そんな不安を抱えた船出だった。

 ところが、一つの試合が彼らを本気にさせた。

 3月24日、慶成は初の公式戦に臨んだ。九州大会福岡北部予選。相手は今大会でもシードされる強豪・自由ケ丘だった。

 当時、慶成の部員数は試合がぎりぎり成立する9人。背中をけがした坂田隼気捕手(2年)がリタイアすれば没収試合で負けとなるため、急きょ身長180センチのラグビー部員をベンチに置いた。

 その試合で、益田直亮投手(3年)が最速138キロの速球を繰り出し踏ん張った。七回の攻撃では1死二塁から三盗に成功。実はサインミスだったが、浮足立つ相手バッテリーの失策を誘い、ついに1点をもぎ取った。「よっしゃー!」。沸き返るベンチ。1-3で敗れはしたが、益田投手は「負けた気が全然しなかった。もっとやりたかった」。

 心のどこかで「負け」を受け入れていたナインの目の色が変わった。

==============

◎投 益田直亮  3

 捕 坂田隼気  2

 一 浮巣頌太  3

 二 柳田優   2

 三 砂守隼人  2

 遊 壹岐村晃樹 1

 左 犬塚諒   1

 中 村上渉   2

 右 小野栄太  1

 補 藤原伸介  1

 〃 橋本一輝  2

 〃 原口義慶  3

 〃 水城雄馬  1

 〃 松崎貴一  1

 〃 赤池修平  1

 〃 吉田貴人  1

 〃 池田貴彦  1

部長 竹内文人

監督 大野泰雄

==============

 ◇私立慶成高校
 1958年創立の小倉女子商業高校から95年に校名変更。現在の生徒数は男女各237人の計474人。普通▽特進▽コンピュータビジネス▽福祉--の4科・コースがある。校訓は「愛・汗(かん)・献(けん)」。植木顕児校長。

|

高校野球:「九州の暴れん坊」勇退 日田・藤蔭の原田監督、夏の大会を最後に /大分

 ◇甲子園5回出場
 日田市の私立・藤蔭高野球部監督、原田博文さん(62)が、夏の全国高校野球選手権大分大会を最後にユニホームを脱ぐ。攻撃的な機動力野球で春・夏合わせて県立・日田林工高時代に3回、藤蔭高で2回の計5回、球児を甲子園に導いた「九州の暴れん坊」。勇退を惜しむ声も強い。

 原田監督は県立日田高野球部で二塁手として活躍し、民間会社を経て70年に日田林工高野球部監督に就任。当時「日田から甲子園」は夢のまた夢の時代。練習は厳しく、「周囲から奇人変人の目で見られ、自分の感性だけで死に物狂いだった」「相手に食らいつく勝利至上主義だった」と振り返る。

 73年夏の甲子園に初出場し、ベスト16。76年春(センバツ)も快進撃してベスト4。78年夏は3回戦進出。81年に県立森高に転出したが90年に藤蔭高に迎えられ、いきなり夏に出場(初戦敗退)。関係者を驚かせた。95年春も初戦敗退。負けた相手は5回のうち3回が優勝校だった。

 最近は県予選で上位進出するものの惜敗続き。学校側の事情で勇退するが、闘志はなお盛ん。「若者たちと夢を追い続けたが、野球は自分の存在感の証しでもあった。野球を通じて心技体やチームワークを鍛えた。新チーム結成まで見届けたい」と話す。

毎日新聞 2008年7月1日 地方版

|

夏の高校野球:鹿児島大会 南種子、23年ぶり勝利 /鹿児島

◇垂水はコールドゲーム発進
 第90回全国高校野球選手権鹿児島大会は30日、県立鴨池、鴨池市民両球場で1回戦7試合があった。

 れいめいは、吉村選手の左越え本塁打など序盤から得点を重ね、荒田投手が緩急をつけた投球で大口にコールド勝ち。加世田は二回2死後、5本の長短打を集め5点を奪い、その後も加点して末吉を七回コールドで退けた。南種子は同点の四回、上妻浩選手の適時二塁打で勝ち越し。串良商の終盤の追い上げをしのぎ、夏の大会で23年ぶりに勝利した。初回に5点と試合の主導権を握った垂水は、迫田投手が無四球の安定した投球で鹿児島中央打線を散発4安打に抑えコールド勝ち。

 鹿児島情報は1点を追う五回、打者一巡の猛攻で一挙5点を取り逆転。その後も森田選手の本塁打などで錦江湾を突き放した。岩川は同点の八回1死三塁で、宇都選手が右前へ決勝打。貴島選手の3点本塁打などで終盤追いついた加治木工を振り切った。鹿屋は同点の六回、木佐貫選手の中前2点適時打で勝ち越し。出水は三回に5点先取したが、その後笹貫投手の好投に涙をのんだ。

 ■青春譜

 ◇ケガおし気迫の直球--新地知啓投手=末吉(3年)
 8点を追う七回2死、ベンチを飛び出した背番号「1」は、本来立つべきマウンドの感触を確かめた。「エースの復活だ」。仲間の声が後押しする。高校生活の集大成は、気迫を込めて投じた3球の直球。遊ゴロに仕留め、最後の攻撃につなげた。

 「もう少し投げさせてあげたかった」。足を引きずりベンチに戻る息子を、母砂由利さん(45)は涙を浮かべて見つめた。

 試合5日前、農業実習で飼料を運んでいる途中、落ちていたカマが左かかとに刺さり、2針縫った。踏み出しの足で、力が最も入る場所だった。

 「無理はさせられない」。本田千浩監督は、苦渋の思いで登板を見送った。三塁コーチスボックスから仲間を鼓舞し続けた。しかし、大差をつけられ、コールド負けが目前に迫った六回。「一人でいいですから、投げさせて下さい」。たまらず監督に直訴した。

 試合後、「緒戦を勝って、次の試合で投げさせてやりたかった」と監督や仲間たち。思いはかなわなかった。だが、エースの目に涙はなかった。「この悔しさを次につなげたい」。大学に進学し、野球を続ける決意を新たにした。

==============

 ▽1回戦(県立鴨池・鴨池市民)

れいめい

  1420001=8

  0000000=0

大口

 (七回コールド)

 (れ)荒田、平石-有村、栫

 (大)中村勇-窪島

▽本塁打 吉村(れ)

▽二塁打 脇薗、吉村、蒲生原(れ)

加世田

  0503000=8

  0000000=0

末吉

 (七回コールド)

 (加)前田、樋野-竹崎

 (末)内山、丸山、新地-佐多

▽三塁打 中釜(加)

▽二塁打 芝原、栗原(加)

串良商

  000100211=5

  10032001×=7

南種子

 (串)大堀-神之園

 (南)鮫島-久保田

▽二塁打 原之園(串)上妻浩、古市拓、久保田(南)

鹿児島中央

  000000=0

  500014=10

垂水

 (六回コールド)

 (鹿)中野、小坂元-財津

 (垂)迫田-西尾

▽三塁打 吉田(垂)

錦江湾

  000102000=3

  00005200×=7

鹿児島情報

 (錦)山下得-坂元

 (鹿)佐々木-森田

▽本塁打 森田(鹿)

▽二塁打 森、坂元(錦)

加治木工

  100000040=5

  03000021×=6

岩川

 (加)満園、大久保-市来原

 (岩)宇都、尾園、宇都-狩川

▽本塁打 貴島(加)

▽二塁打 松原、本田(加)狩川(岩)

出水

  005000000=5

  00050210×=8

鹿屋

 (出)松下-山田

 (鹿)笹貫-岡元

▽二塁打 松田(出)岡元、高畠(鹿)

毎日新聞 2008年7月1日 地方版

|

イタリア世界遺産落書き:常磐大高野球部監督解任 軽率行為、代償大きく /茨城

 ◇選手ら動揺、心配する声
 軽率な行為の代償はあまりに大きかった。水戸市の常磐大高硬式野球部の須田武志監督(30)がイタリア・フィレンツェ市の世界遺産登録地区の大聖堂に落書きをした問題で、同校は30日、29日付で須田監督を解任したことを明らかにした。全国高校野球茨城大会の開幕まで1週間を切った時期の解任で、選手たちの動揺を心配する声が聞かれた。

 同校の浅岡広一校長は同日正午から会見。沈痛な表情で「事の重大さを考えて判断した。社会的に許されることではない」と語った。浅岡校長によると、須田監督は06年1月、イタリアの史跡を巡る団体ツアーに参加。大聖堂近くのペンの売り子から「書くと幸せになる」と勧められ、購入して書いたという。

 同校は25日に学校のホームページへの書き込みで知り、同日中に浅岡校長が須田監督に確認したところ、認めたため、謹慎を言い渡した。処分がその4日後になり、事態が深刻化したことについて、浅岡校長は「誤りがあってはいけないと思い、検証に時間がかかった」と話した。

 須田監督は29日に部員らに「皆に迷惑をかけた。申し訳ない」と謝罪したという。

 一方、県高野連は30日午後、会見。大竹喜士郎会長は「解任の判断は妥当。今は選手の心理状態が一番気がかりだ」と話した。

 須田監督は昨年の茨城大会で準優勝するなど、きめ細かい指導で評価が高かった。県高野連の藤枝武博理事長は「有望な若手だけに残念だ」と話した。

毎日新聞 2008年7月1日 地方版

|

串木野が25得点で圧勝/鹿児島大会

<高校野球鹿児島大会>◇1日◇1回戦
 串木野が4イニングで19安打25得点の猛攻を見せ、25-0の5回コールドで樋脇を破り、初戦を突破した。内村文彦監督(27)は「(今年度で閉校する)相手の事情とは関係なく、自分らのすべき事ができるかが試される、と言って選手を送り出した。集中して攻められた」と、3、4回裏に2イニング連続で打者一巡した打線をほめた。

[日刊スポーツ:2008/07/01 14:52]

|

開陽が公式戦初勝利/鹿児島大会

<高校野球鹿児島大会>◇1日◇1回戦
 創部4年目、部員13人の開陽が蒲生を3-1で破り、公式戦初勝利を挙げた。1回裏、先頭で唯一の3年生、山野勝也主将が左前打で出塁。4番武田祐一郎(2年)の中前適時打で生還し、1点を先制した。2点を追加した後、3回に1点を失ったが、その後は無失策の堅守で逃げ切った。中窪寿監督(30)は「春の県大会は部員不足で出られなかったが、1年生7人が入って、今日を迎えられた。半分は高校から野球を始めた素人だが、本当によくやった」と感無量だった。

[日刊スポーツ:2008/07/01 14:52]

|

第90回全国高校野球:南・北北海道大会 出場32校決まる /北海道

◇江別は47年ぶり--組み合わせ抽選は4日

第90回全国高校野球選手権大会(日本高野連など主催)に向けた地区大会は30日、札幌地区で代表決定戦5試合があり、江別が47年ぶり4回目の南北海道大会出場を決めたほか、春季道大会を制した東海大四などが駒を進めた。これで南・北北海道大会に出場する32校が出そろった。両大会とも組み合わせ抽選会は4日に行われ、南は13日に札幌円山球場で、北は17日に旭川スタルヒン球場で開幕する。それぞれの優勝校は、8月2日から阪神甲子園球場で行われる本大会に出場する。

 ◇札幌地区(札幌円山、麻生)
 ▽Cブロック代表決定戦

札幌北

  000000000=0

  13110000×=6

札幌南

 (札幌南は2年連続17回目)

 (北)水口、平尾-三好

 (南)中西-広瀬

▽三塁打 鈴木綜、辻(南)

▽二塁打 初田(北)

 ▽Dブロック代表決定戦

札幌啓成

  000000000=0

  10100020×=4

江別

 (江別は47年ぶり4回目)

 (札)佐々木-綿谷

 (江)沢田-山崎

▽二塁打 弘田(札)沢田(江)

 ◇投打で活躍の主将
 ○…47年ぶりの南北海道大会進出を決めた江別の原動力は、エースで主将も兼ねる大黒柱の沢田将人選手(3年)だ。九回は2死ながら一、二塁とされたが、得意のスライダーで三振を奪いガッツポーズ。打撃で3打点を挙げ、マウンドでは完封と投打にわたる活躍だった。「バックがいいプレーをしてくれた。道大会の目標は頂点です」と満面の笑み。

 ▽Eブロック代表決定戦

札幌第一

  102101200=7

  013001000=5

北海学園札幌

 (札幌第一は5年連続17回目)

 (札)山下、掛端、金井-松浦、笹村

 (北)中山、明石、鍵政-小原

▽本塁打 柴山、高石(札)

▽二塁打 高石2(札)山崎4(北)

 ▽Fブロック代表決定戦

恵庭南

  000000000=0

  01020120×=6

東海大四

 (東海大四は4年ぶり27回目)

 (恵)野坂-菊地

 (東)佐々木-伏見

▽二塁打 上野(東)

 ◇エース好投で快勝
 ○…春季道大会を制した東海大四が、エース佐々木亮投手(3年)の好投で快勝。内角を突く直球がさえ、恵庭南打線を5安打に封じた佐々木投手は、「(地区大会は)調子が悪い中、かわす投球ができたが、これから調子を上げていきたい」と、同校としては4年ぶりとなる南北海道大会に意欲を示した。

 ▽Gブロック代表決定戦

大麻

  133100000=8

  000040302=9

とわの森

 (とわの森は初)

 (大)麻柄、蘆田-中山

 (と)柴田-佐藤

▽本塁打 井上(大)

▽三塁打 中ノ目(と)

▽二塁打 柴田2、中ノ目、竹内(と)麻柄(大)

 ◇サヨナラで初切符
 ○…とわの森は同点とした後の九回1死一、三塁で、ここまで無安打の1番・木村龍太選手(3年)が「絶対に打つ」と2球目の直球を中前に運ぶ劇的なサヨナラ打。初の南北海道大会出場切符を手にした。一時は8点差をつけられながらの逆転勝ちに、三塁側応援席は歓喜に包まれ、選手からは「また、みんなと野球ができる」との声が上がった。

毎日新聞 2008年7月1日 地方版

|

茨城・常磐大高の落書き監督が解任

茨城・常磐大高の野球部監督(30)がイタリア・フィレンツェの世界遺産「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」に落書きをした問題で、同校は6月30日、監督を29日付で解任したと発表した。同校によると、本人は名前を書くと幸せになるという話を聞き「深く考えずに書いた」と事実を認めている。浅岡広一校長は「心ない行為。たいへん申し訳ない」と謝罪した。野球部は昨夏の茨城県大会で準優勝し、今夏もシード校。夏の大会の出場については県高野連を通して、日本高野連の判断を仰ぐ。

 水戸市の常磐大高で正午から行われた会見で、浅岡校長は「世界遺産という重要な文化遺産に落書きをしたのは大きなこと。指導にあたるという立場を考えると戒めなければならなかった」と解任の理由を述べた。監督は同席しなかった。

 監督は05年12月に結婚し、06年1月2日から7日までイタリアの史跡を回る団体ツアーを利用した旅行をした。学校側によると、5日に訪れた大聖堂の近くで「これで名前を書くと幸せになる」と日本語を話す日本人のような風ぼうをした男から言われ、油性ペンを購入。展望台にある柱に自分と妻の名前を書いた。「深く考えずにそういう行為をしてしまった」と沈痛な表情で説明したという。

 午後3時からは茨城県高野連と浅岡校長の会見が行われた。大竹喜士郎県高野連会長は「高野連として正式な文書を学校側から提出してもらい、日本高野連に提出し判断を仰ぐ」と話した。「個人的には監督のプライベートなことなので、野球部を県大会に出場させてやりたい」と述べた。茨城県大会は5日開幕で、同校は12日に試合の予定がある。生徒の心情を考え、出場できる方向で日本高野連にお願いするとした。

 監督は00年4月に非常勤職員として採用され、同時に野球部のコーチに就任。01年4月から監督として采配を振るい、昨夏は県大会で準V。昨年のドラフトで楽天に4位指名された菊地保則投手を育てるなど、若手有望監督といわれていた。今年4月からは常勤職員となり事務職を担当。社会科の教員免許を持っているが、教壇に立ったことはない。監督は解任するが、職員としての処分に関しては検討中とした。

 また、浅岡校長は、監督について落書きの事実が発覚した25日から無期限謹慎処分としてグラウンドに入ることを禁止していたと説明したが、28日に行われた県外の高校との遠征試合では、監督が指揮を執っていたことがわかった。

 浅岡校長は自分が要請したことを認め、「直前のキャンセルは相手校に申し訳なく、ほかに代わりをできる人物がいなかった」などと話した。

 [2008年7月1日10時25分 紙面から]

|

元吉本芸人が監督で目指す甲子園

お笑いブームがついに高校野球界にやってきた。今年4月に岩戸と久里浜が統合して誕生した横須賀明光(南神奈川)に、元吉本のお笑い芸人、田沼宏友監督(28)が就任した。芸人時代は漫才コンビ「こふきいも」として活動。ユニークなトレーニングと明るい人柄がチームワークの秘訣(ひけつ)だ。「笑い」と「野球」を融合させ甲子園を目指す。

 そこには、芸人時代と同じ顔で笑う田沼監督の姿があった。はつらつとした表情の選手たちは「青春ダッシュ」を終えたばかり。ムードメーカー紀伊隼投手(3年)が「これが横須賀明光じゃーい!」とほえたのを合図に、「大好きだーっ」と、夕日を背に好きな子の名前を叫んでグラウンドを駆け抜けた。これも同監督ならではの体力づくりのトレーニングだ。

 教員と芸人の、2つの夢があった。しかし「両方やるなら芸人が先」と大学卒業後、吉本興業のタレント養成所に入った。同期にはハリセンボンや出雲阿国などがいる。06年に監督就任の話がでると「芸人をあきらめることへの迷いはあったが、二足のわらじではやっていけない」と決意。吉本を辞めるとき、同期からサインバットが贈られた。「めざせ甲子園!」の文字と、たくさんのメッセージ。中には、既に売れて多忙だったハリセンボンのものもあった。監督は「一生の宝物」と、昨夏に続き今年も大会中ベンチに飾る。

 高校球児だった監督自身の最後の夏は、2回戦で松坂(レッドソックス)と俳優上地雄輔(29)の横浜バッテリーに打ち取られて終わった。実は上地とは長年のライバルだ。小、中学校の同級生。互いにガキ大将同士だが、けんかも野球の実力もかなわなかった。小学校時代、バットを逆さまに持った上地に、全力投球を場外アーチされた苦い? 思い出も。「自分の前にはいつも上地がいた」。芸人をあきらめたのと同時に上地が売れ出し「『羞恥心』を見ると悔しい」と笑いながら話す。「上地は甲子園でプレーしていない。だからチームの甲子園出場が唯一のチャンス」と、「打倒!上地」への執念をひそかに燃やしている。舞台で学んだお笑いのツボ。しかしグラウンドに笑いは、持ち込まない。

 [2008年7月1日10時22分 紙面から]

|

村上桜ケ丘軸に群雄割拠 高校野球新潟大会展望

7月1日7時51分配信 産経新聞

 第90回全国高校野球選手権新潟大会は11日、長岡市の悠久山球場で開幕する。節目の記念大会には甲子園切符をかけて95校が出場する。春の県大会を制した県立の村上桜ケ丘を軸に強豪ひしめく混戦模様だ。決勝は三條機械スタジアム(三条市)で23日午後1時から。

 名将・松田忍監督が2年越しで育てた村上桜ケ丘は春夏通じ初の甲子園出場を狙う。投手陣に樋口悠太、大沼泰之の2枚看板がそろい、左打者5人をそろえた打線も強力だ。これを追う私立勢は5年ぶりの優勝を目指す中越が県内一の呼び声高い右腕の阿部拳斗を擁し、「攻撃的な守備」で試合のリズムをつくる。

 北越も本格派右腕のエース渡辺智哉を中心にまとまり、昨夏の甲子園でベスト16入りした新潟明訓、2年ぶりの代表を目指している日本文理のビックネームが同ブロックに入り、しのぎを削ることになった。県立勢でも鍛え抜いた守りが光る春4強の県央工も注目の存在だ。

|

落書きの野球部監督解任 県内から賛否 茨城

7月1日7時51分配信 産経新聞

 イタリア・フィレンツェの世界遺産登録地区にある大聖堂の柱に落書きした常磐大高の硬式野球部監督(30)が30日、同校から監督を解任された。関係者からは「厳正処分はやむを得ない」と厳しい指摘がされる一方、「指導力、人格とも素晴らしかった。軽率な行動が残念」と惜しむ声もあがる。創部8年足らずの同校を短期間に強豪へと押し上げた“名将”の不祥事が大きな波紋を呼んだ。

 同校によると、監督は素直に事実を認め、解任を告げると沈痛な表情を見せたという。

 同校近くに住むある男性は、「安易な気持ちで、世界遺産に落書きできるのか。教育者として監督の処分は当然。学校も事の重大性と、責任を認識してほしい」と話す。

 一方で、昨夏の県大会で準優勝を果たし、同校を甲子園へあと一歩まで導いた監督の解任に、無念の声もあがる。部員や保護者に対し、監督は「心配をかけて申し訳ない。軽率な行動だった」と謝罪したという。

 監督を知るある保護者は「子供に対して、家族のように接してくれた。気持ちを読み取るのがうまく、話も上手。解任は仕方がないが、いつか戻ってきてほしい」と言葉を詰まらせた。

 一方、夏の甲子園県大会を直前に控えての問題発覚に、県高野連も対応に追われた。出場の可否は、日本高野連の判断を待つことになる。

 藤枝武博理事長は「残念の一言。将来、茨城の野球界を背負って立つ人物だった。失敗をしっかり受け止めて、人間的に成長してくれれば」と語った。

                   ◇

【常磐大高の会見要旨】

 --監督はなぜ落書きをしたのか

 「とくに理由はない。大聖堂の近くでペンを販売する人から勧められて、そのペンで書いた、と話している」

 --本人のコメントは

 「みなさまにご迷惑をおかけし、心配をおかけしたということに対して、深くお詫びしたいと。これまで野球部の監督をやるなかで、支援してくださった皆さんには本当に申し訳ないと」

 --野球部の部員にたいする説明は

 「昨日した。生徒たちに校長から事実関係を話し、理解を求めると」

 --生徒の反応は

 「生徒は残念な思いであったようだ」

 --監督のこれまでの評判は

 「生徒の信望は大変厚い。信望がチーム力に大きく貢献して、県内の野球好きな子供がここへ集まり、野球部を構成しているが、一人一人の技量を高め、個別適切な指導をして昨年の(県大会)準優勝になった。そういう意味では高く評価されている人物だ」

 --場合によっては外交問題だ

 「やってはならないことをやったということで、本人には強く反省を求めるし、学校としてもこのことを真摯に受け止め、教職員一同これからの教育にとりくみたい」

 --校長としての責任は

 「管理監督の立場として、どこまで及ぶかという部分もあるがが、指導が十分でなかったのかな、と」

 --県大会へは出るのか

 「高野連の指導に従いたい。学校として辞退するつもりはない」

 --被害回復法は

 「軽々にものは言えない。大聖堂側の考えを尊重していきたいと思っている。実際に(現地に)行って(落書きを)消すのも選択肢の一つだと思う」

 --落書き一つで(処分が)重いのではないか

 「コトの重大さを考えた」

|

野球部不祥事…27件の処分決定

 日本学生野球協会は30日、審査室会議で高校27件の処分を決め、部員の万引があった寒河江工(山形)は4月30日から1カ月の対外試合禁止処分となった。指導者では、生徒の積立金やOB会費などを横領した修善寺工(静岡)の部長(当時)が4月26日から、部内暴力を起こした日大豊山(東京)のコーチは5月27日から、それぞれ1年間の謹慎処分を科された。部内暴力のあった高崎工(群馬)の監督は5月7日から6カ月の謹慎処分となった。

|

垂水が10得点で初戦突破/鹿児島大会

<高校野球鹿児島大会>◇30日◇1回戦

 垂水が14安打を放ち、鹿児島中央に10-0で6回コールド勝ちした。石塚真也監督(29)は「秋から公式戦で勝っていなかったので、勝たせてやりたいとは思っていたが、予想以上の出来」と大勝に目を丸くした。
(6月30日19時49分)

|

明石 天国の大先輩に届けた白星

 第90回全国高校野球選手権大会(8月2日開幕、甲子園)の地方大会は30日、全国で30試合が行われた。南北海道大会では札幌地区の代表決定戦5試合が行われ、これで南北海道大会出場16校が出そろった。また徳島大会の組み合わせが決定した。 

 【明石4―2三木】西兵庫の明石は、三木に4―2で競り勝ち、偉大な先輩へささげる1勝を飾った。1933年夏の甲子園準決勝で中京商(現中京大中京)と延長25回を戦った時の二塁手・嘉藤栄吉さんが28日に死去。29日にはメンバー外の部員が通夜に参列していた。2―2の6回に勝ち越しのスクイズを決めた岩尾主将は「先輩のためにも初戦は勝たないといけないと思ってました」と胸を張っていた。
(1日7時1分)

|

茨城の剛腕、三和の石崎初戦涙/地方大会

<高校野球地方大会>◇7日◇鹿児島大会ほか

 第90回全国高校野球選手権大会の地方大会は、11大会が行われた。雨で一部試合が中止となった茨城では、無名校の多賀が、プロ注目の右腕、三和の石崎剛投手(3年)を攻略。延長10回の末に2-1で破る殊勲の星を挙げた。群馬も雨にたたられた中、期待された富岡の左腕・高田優馬投手(3年)も初戦で惜敗した。鹿児島では今春の選抜大会にも出場した鹿児島工が4回戦に進出。樟南は3回戦に進んだ。

 [2008年7月7日20時34分]

|

無名校多賀がプロ注目右腕攻略/茨城大会

<高校野球茨城大会:多賀2-1三和>◇7日◇1回戦

 雨で一部試合が中止となった茨城では、無名校の多賀が、プロ注目の右腕、石崎剛投手(3年=三和)を攻略。延長10回の末に2-1で破る殊勲の星を挙げた。

 昨夏初戦敗退の多賀が「大物食い」で夏1勝を挙げた。1-1の同点で迎えた延長10回1死満塁、4番吉田裕也内野手(3年)は、松田貴監督(48)に「打たせてください」と直訴した。5回の先制点はスクイズで挙げていた。再びスクイズか強攻策か、4番の気持ちをベンチで確かめた指揮官に、真っ向勝負を進言した。

 三和・石崎剛が「全力で投げた」と振り返る自慢の直球を、中前にはじき返した。松田監督は「いくらいいピッチャーでも試合の中で崩れることがある。そこまで我慢できるかどうか」と試合のポイントを挙げていた。狙い通りの展開で我慢勝ち。校歌を歌い終えると、選手たちはスタンドに向けて猛ダッシュを決めた。

 「大物食い」は松田監督の代名詞でもある。名将橋本実監督(現水城)が率いた水戸商を2度も破った。松丘の監督だった95年は秋季県大会2回戦で、多賀に転勤した96年には夏の3回戦で、3年連続出場を狙う同校に勝利した。当時の水戸商には現ヤンキースの井川がいた。「橋本キラー」と称されたものだった。

 05年夏には石崎剛に似た本格派右腕、山口直弥投手(大東文化大)擁する伊奈から12得点で5回コールド勝ちした。石崎剛との対戦に不安を隠せない選手たちに、前日ミーティングでこの経験を話した。「騒がれすぎて力を発揮できないときもある」と自信を持たせた。

 相手が注目されるほど燃える。その思いは選手たちにも伝わった。松田監督は「この勝利で気を抜かないようにしたい」と、すぐに気持ちを切り替えていた。

 [2008年7月8日8時46分 紙面から]

|

富岡高田不運に泣く11K実らず/群馬大会

<高校野球群馬大会:太田工2-1富岡>◇7日◇2回戦

 群馬は雨にたたられた中、期待された富岡の左腕・高田優馬投手(3年)が初戦で惜敗した。

 プロ注目左腕、富岡(群馬)高田優馬投手(3年)の夏はわずか1試合で終わった。雨の中、太田工・吉田真史(3年)との投げ合いは延長戦にもつれ込む熱戦。11三振を奪う力投を見せながら、1-2と惜敗した。

 勝利の女神は高田に振り向かなかった。1-1の同点で迎えた延長10回表1死一、二塁のピンチ。緩い打球は一塁ベースに当たって右翼線に転がり、二塁走者が決勝のホームを踏んだ。「不運というしかありません」と唇をかんだ。

 この日は初回から飛ばした。最速136キロの速球と変化球を低めに集め、5回まで毎回の8奪三振。7回には3者連続三振を奪う力投を見せた。プロも注目する隠れた存在。阪神など日米3球団のスカウトが視察した。阪神菊地スカウトは「腕の振りがよくなれば、もっとスピードが出る」とその将来性を高く評価した。

 甲子園という夢はかなわなかった。それでも昨秋は最速130キロだった左腕が地道な努力で球速を137キロに伸ばし、プロ注目の左腕に成長した。進学校の中で、成績も常に上位をキープ。文武両道を目指した。「自分のベストの試合ができた」。悔しい結果にも高田は胸を張った。

 [2008年7月8日10時15分 紙面から]

|

立命館宇治にプロ注目の足/京都大会

<高校野球京都大会:立命館宇治7-3鳥羽>◇7日◇2回戦

 プロも注目の「黄金の足」だ! 京都大会で、立命館宇治の1番打者、金子侑司遊撃手(3年)が快足ぶりを披露した。プロ注目の50メートル5秒88の俊足を生かし、2安打1打点1盗塁の活躍。守っても、本来は二塁手の中野翔太主将(3年)が公式戦初完投でエース離脱のピンチを乗り切り、3回戦進出を決めた。

 鮮やかなスタートから塁間でまた加速する金子の足に、中日米村スカウトがため息をついた。「間違いなく全国トップクラスの足ですよ。素晴らしい足をしている」。スカウトの目をクギ付けにした黄金の足が、初戦から威力を発揮した。

 3-0の4回1死二塁で右前打を放ち、さっそく二盗を敢行。1死二、三塁に好機を広げ、その後5点目のホームを踏んだ。8回1死三塁からは、中前への当たりを二塁打にした。

 50メートルを5秒88で駆け抜ける。高校通算19本塁打のうち、ランニングは4本。練習試合で、1試合6盗塁を決めたこともある。校内の体育祭なら、陸上部にもひけをとらない。今春の近畿大会京都府予選終了後に、それまでの3番から1番に定着。「足を生かせる打順ですし、打ちやすい」と、2安打2得点1盗塁の好結果。足で魅せる京都のドラフト候補が、夏の初戦で輝いた。

 [2008年7月8日12時22分 紙面から]

|

連覇へ佐賀北延長サヨナラ発進/佐賀大会

<高校野球佐賀大会>◇8日◇2回戦

 佐賀北が延長11回4-3のサヨナラ勝ちで佐賀工を破り、全国連覇へスタートを切った。先制しながら5回に逆転された佐賀北はその裏に3-3の同点とし、延長戦に持ち込んだ。11回裏1死満塁で、7番前田直人(3年)が決勝の左犠飛を放った。百崎敏克監督(52)は「連覇どころか1勝も難しいのでは、という危機感で初戦を迎えた。この1週間、調子が上がってきて、良い試合ができた」と、粘り勝ちに納得の表情だった。

 [2008年7月8日14時49分]

|

九里学園・斎藤が大会第1号/山形大会

<高校野球山形大会:九里学園4-2山形南>◇11日◇1回戦

 曇り空の下、56校参加の山形県大会が開幕した。第2試合は九里(くのり)学園が、4番斎藤哲(あきら)捕手(2年)の今大会第1号となる先制本塁打と、ダメ押しの左犠飛などで、山形南との接戦を4-2で制した。

 2回表、九里学園の先頭打者の斎藤哲は、初球のストレートを思い切りすくい上げた。打球は右中間スタンドに飛び込んだ。「多少詰まってました」と振り返った斎藤哲は、1年秋からクリーンアップを務める。「自分が打たなきゃチームが勝てない」という自覚を持ち、練習後、自宅で納得いくまで素振りを続けてきた。その努力が、大会第1号で結実した。11回表にもダメ押しの左犠飛を放ち、2年連続の初戦突破に貢献。「クリーンアップに甘い球はそうは来ない。(今後も)1球で決めます」と話した。

 9回まで11安打しながら2点に抑えられる苦しい展開だったが、高橋左和明監督(37)は「残塁が多くても守備を徹底してくれた。冷静に試合ができている」とナインをたたえた。

 [2008年7月12日12時37分 紙面から]

|

5年ぶり木内常総コールド発進/茨城大会

<高校野球茨城大会:常総学院14-0茨城東>◇11日◇2回戦

 名将木内幸男監督(76)に率いられた常総学院(茨城)が好発進した。茨城東に14-0の7回コールド勝ち。12日に喜寿を迎えるベテラン監督は夏の大会5年ぶりの出陣ながら、いきなり19人の選手を起用する大胆采配を見せつけた。

 5年ぶりとなった夏の公式戦にも、木内監督に戸惑いはなかった。ベンチ入り選手の20人中19人を送り出し、16安打14得点のコールド勝ち。木内節も全開だった。「気の弱いやつにも経験を積ませることが出来た。マジックのネタ仕込みができたな」。

 2回、四球で初走者を出すと、すぐさま動いた。盗塁指令で無死二塁。バントはなし。強攻した5番飯田大祐捕手(3年)は期待通りに右前適時打を放った。「小さくなってんじゃねえよ。本塁打を打つぐらいのスイングしてみろ」。大会前、不振だった飯田には、監督のハッパが効いた。この回4安打で5点。早々と流れを引き寄せた。強攻策は選手の動きを見た木内監督の判断だった。「1、2番が四球で塁に出ることを意識しすぎてカウントを悪くしていた」。1回は3者凡退。積極性を忘れた選手に、バントなしを宣言していた。

 投手もこれまた大胆な起用だった。1年生の左腕長谷川悟を先発させると、4回を4安打無失点。2番手には公式戦初登板の真下光翔(2年)も指名、すると3回を1安打無失点に抑えた。孫といえるほど年の違う選手たちも、ベテラン監督の期待にこたえた。

 12日には喜寿、77歳の誕生日を迎える。島田隼斗主将(3年)は「誕生日前日にささげる勝利」と話した。もっとも木内監督は「監督をやってるときは76歳じゃないよ。ユニホーム着たら六十数歳のつもり。病気だって病気じゃなくなるんだ」と豪胆に笑う。そしてこう付け加えた「オレ色に選手が染まればもっと強くなるよ、このチームは」。名将の夏が始まった。

 [2008年7月12日8時34分 紙面から]

|

聖光学院が薄氷サヨナラ発進/福島大会

<高校野球福島大会:聖光学院3-2あさか開成>◇11日◇2回戦

 第1シード聖光学院が、あさか開成に9回3-2でサヨナラ勝ちし、夏2連覇と4季連続の甲子園出場に向けて辛勝発進した。エース仲田浩人(3年)が同点に追い付かれた8回表1死三塁から救援。ピンチを切り抜け、9回には先頭打者として右中間二塁打で出塁し、サヨナラのホームを踏んだ。

 スクイズでも勝ち越しを許す8回表1死三塁のピンチに、エース仲田がマウンドに立った。今春センバツ1回戦の沖縄尚学戦。初回1死三塁での、三塁けん制がボークになり、その失点が響き、0-1で惜敗した。終盤での同じ場面。仲田は動じることはなかった。投球前に、いきなり三塁けん制。カウント2-0から相手5番打者の3バントスクイズを失敗させ、次打者も中飛に打ち取った。甲子園を経験するエースの貫禄(かんろく)を示した。

 打撃でも、仲田だった。自らの二塁打が口火になった9回裏1死満塁。三塁走者として1番関根健斗(3年)の右前打でサヨナラのホームを踏んだ仲田は「(センバツは)悪夢でしたが(同じ場面は)気にしませんでした。いい展開で終わらせてもらいました」と平然と振り返った。直球の最速は139キロだが、センバツ後は「球速は139キロも140キロも同じ」と、本塁ベースの両側に20センチ幅の白線を引き、ストライクゾーンからボール1つ外す制球力を磨き続けてきた。

 斎藤智也監督(45)は「苦しい場面でしたが、仲田を投げさせないで負けるのは嫌だった」と、エースを信頼。「(登板は)思惑と違ったが、夏独特の経験を味わったと思う。(打撃も)あの子の強さでしょうね」と絶賛した。夏2連覇に向けて、わずかに登板予定は狂ったが、今夏決勝舞台になるメーン球場(県営あづま球場)でのマウンドを経験した。惜敗した沖縄尚学は、センバツで頂点に立った。仲田は「もう1度甲子園でやってみたい」と夢を広げた。

 [2008年7月12日12時38分 紙面から]

|

東海大仰星吉田4失点完投/北大阪大会

<高校野球北大阪大会:東海大仰星7-4旭>◇11日◇1回戦

 上原先輩に負けられない! 東海大仰星・吉田雅紀投手(3年)が粘りの4失点完投で初戦を突破した。今春スランプに陥ったが、高校の先輩、巨人上原浩治投手(33)を支えに復活。上原も果たせなかった夏の甲子園出場に、1歩近づいた。

 熱気の中で、マウンドの吉田は大きな息をついた。5-0で迎えた6回、無死一塁から連続四球で満塁。続く5番打者にぶつけてしまい、死球押し出し。6番打者にも四球で連続押し出し。4連続四死球で2点を失った。

 悩み抜いた今春が、吉田の頭によみがえった。ストライクを取れなくなった4カ月前と、今の投球が重なる。混乱した頭の中に、先輩の顔が浮かんだ。支えにしてきた上原先輩。「丁寧に自分を信じて投げよう」。気持ちを落ち着けた。そこから2者連続三振などで後続3人を打ち取った。苦しみながら初戦を突破。「しんどかった経験を生かすことが出来ました」と笑った。

 春の近畿大会大阪府予選が始まる4月上旬、異変に気がついた。以前と同じように投げているはずなのに、球が沈む。「走り込みが足りず、下半身が出来ていないのかとか考えました」。原因が分からず悩むころ、先輩の上原も不調に苦しんでいた。

 「自分と同じやな、と思い、上原さんを気にしていました」。今春、苦闘する大先輩を身近に感じた。「1球1球気にするより、自信を取り戻そう」と切り替え、投げ込みを行い、スランプを脱出した。

 上原の恩師で、吉田の復活も見てきた西豊茂監督(47)は「夏の初戦ですし、何があってもきょうはエース完投と決めていました。初戦で苦しんだことは、今後に生きると思います」と期待。初めての夏の甲子園に、大きな1歩を踏み出した。

 [2008年7月12日7時15分 紙面から]

|

鎮西立岡、魅せた!走攻守/熊本大会

<高校野球熊本大会鎮西9-2甲佐>◇11日◇2回戦

 九州NO・1野手、鎮西(熊本)の立岡宗一郎中堅手(3年)が日米11球団のスカウトが見守る中チームのコールド勝ちに貢献した。

 走攻守魅せた。まずはバットだ。2回の右前適時打を含む5打数3安打1打点。安打はすべて単打と高校通算28本塁打の長打力を封印し、チーム打撃に徹した。守りでは自慢の強肩を披露した。4回表2死二塁。ワンバウンドで打球を捕ると、中堅から本塁めがけて矢のような返球。ホームインは許したが、メッツの大慈彌功スカウトを「あの返球は良かった」とうならせた。6回裏には中前打で出塁し二盗に成功。50メートル5秒9の快足も披露した。

 中学時代は投手も松井稼頭央(アストロズ)にあこがれ高校入学から野手に転向。1年からレギュラーの座をつかんだが甲子園出場は果たせていない。「甲子園に出ることしか考えてない。とにかくチームが勝てばいい」。3拍子そろったリードオフマンは力強く語った。

 [2008年7月12日12時12分 紙面から]

|

聖隷自信のリベンジ、藤井が常葉菊川斬る

第90回全国高校野球選手権静岡大会が、12日に再開する。最速142キロのエース藤井直樹(3年)を擁す聖隷クリストファーは、13日の2回戦(午後0時30分、浜松)で前年度王者の常葉学園菊川と対戦。6日の1回戦(対大仁)で、手の内を隠しながら5安打完封した右腕を軸に、大物食いに準備万端だ。

 聖隷クリストファーの藤井は、スタンドに陣取る常葉菊川ナインを視界にとらえながら1回戦を戦った。使用する球種を直球とスライダーの2種類に絞り、けん制球も「少なめにしました」。球種やクセを見破らせないために自ら“縛り”を掛けながらも、プロ注目の最速142キロ右腕は107球、8奪三振で5安打完封。「80点ぐらい。打たれる気がしませんでした」と振り返った。

 圧巻だったのは最終回だ。「本気になったのは9回だけ。狙いました」と、3者連続空振り三振。打たせて取るために投げていた8回までとは一転し、全力投球を見せた。常葉菊川ナインに向けての強烈なデモンストレーションを披露し、2回戦へ向け「弾みになりました」と話した。

 昨夏は準々決勝で対戦し、0-4で敗れた。雪辱への気持ちは強い。鈴木洋佑監督(30)は「ここで倒さずしていつ倒すという状況。個々の能力の差があるのは分かっているが、1つ勝って安心したと思う」。2回戦は、第5シードの常葉菊川にとっては初戦。夏の初戦は、どれほど強いチームにとっても難しいもの。藤井は「初戦は緊張する。このタイミングが一番倒しやすいと思う」と自信を見せた。

 偶然にも組み合わせ抽選直前、センバツで常葉菊川を破った千葉経大付(千葉)と練習試合を行った。7-9で敗れたが「松本監督にどうやって倒したのかいろいろ聞いた」と鈴木監督はニヤリ。秘策を胸に、王者にぶつかっていく。

|

三島北56年ぶり夏1勝/静岡大会

<高校野球静岡大会:三島北6-4静岡大成>◇12日◇1回戦

 三島北が6-4で静岡大成を下し、56年ぶりの夏1勝を挙げた。延長10回表2死二、三塁、6番遠藤高史投手(2年)が強烈な遊ゴロを放ち、失策を誘発。勝ち越しに成功し、10回裏も2死満塁の危機をしのいだ。昨年度準優勝の静岡商は12-5で金谷を下し、7回コールド発進。静岡南は、4点を追う9回表に一挙11得点し、沼津工を相手に大逆転勝利を収めた。13日はシード校が登場。春季東海王者の常葉学園橘、前年度Vの常葉学園菊川が初戦に臨む。

 延長10回の勝ち越しの瞬間、超満員の裾野球場が揺れた。大歓声と悲鳴が入り交じる球場の中央で、三島北の遠藤がぐっと両拳を突き上げた。56年ぶりの校歌。笑いながら、泣きながら熱唱した。思わず2番まで歌いかけたところで、我に戻った。「あー、勝ったんだなぁ」。

 2回に先制しペースは握った。しかし、昨年同好会から部に昇格し、公式戦は未勝利だっただけに「経験不足から」(白鳥真利監督=47)中盤で浮足立ち、逆転された。「失うものは何もないし、OBの方からも試合前に楽しんで来いって言われてましたから」(大上恭介主将=3年)。何度ピンチを迎えても、チャンスを逸しても、ナインは笑顔でグラウンドに立ち続けた。

 延長10回表。2死二、三塁のチャンスに遠藤が「気合を入れて」打席に立った。笑顔だったが、打撃用手袋の中は汗でぐっしょりだった。「やっべ」。3球目のど真ん中直球を引っ掛けた。打球は遊撃へ。「とにかく必死で走った」。無の境地だった。気がついたらガッツポーズを繰り返していた。「勝った」。

 スタンドでは56年前の夏(1952年)で田方農に勝利したOB4人が声援を送り続けた。昨年、部に昇格してから1度も公式戦観戦を欠かしたことはない。56年前の夏、田方農戦でサヨナラ適時打を放った飯塚栄照さん(72=自営業)は、目を潤ませながら笑って言った。「うれしいね。うれしいよ。たまんないよ」。56年前と変わらない校歌を、後輩と仲間と静かに口ずさんだ。「甲子園だぞー」。スタンドから飛ぶ声に遠藤は思った。「もっと頑張らないとな」。三島北野球部の時計の針が、再び動きだした。

|

青森商・秋田監督は逆転/青森大会

<高校野球青森大会:青森商4-3三本木>◇12日◇1、2回戦

 昨年ベスト4の青森商が、三本木に4-3で逆転勝ちした。8回裏1死二塁から、5番川越泰寛(3年)が左中間へ決勝の二塁打。4月に就任したばかりの秋田健二監督(32)が夏1勝目を飾った。5連覇を目指す青森山田は、エース木下龍二(3年)の7回1安打10奪三振の好投で、青森東を7-0(7回コールド)で下した。

 伝統校の底力だ。4-3の9回表無死一、二塁のピンチで、エース佐藤亘(3年)が踏ん張った。2死後に右前打を打たれたが、二塁走者を本塁で刺し、苦しい試合をものにした。

 佐藤が序盤に打ち込まれて、2回までに3点を奪われた。打線も3回まで1安打。だが川越が4回2死二塁から追撃の右前適時打で突破口を開き、決勝点もたたき出した。川越は「打席の前の方に立ち、引きつけて打つことを心掛けた」。

 秋田監督は青森商-青森大出身で、昨年は部長。恩師でもある浪岡鋭治前監督(46)が4月、浪岡に転任し後を受け継いだ。「野球は人間がやるもの。技術よりまず人間性、学校生活を大事に」がモットー。35年ぶりの甲子園を目指す母校を率いて、まず1勝。「最初は相手の気持ちに押されたが、うちも負けていなかった」と、ナインへの信頼をにじませた。

 昨年は、優勝した青森山田に準決勝で0-13の6回コールド負け。順調にいけば4回戦で当たる。「青森山田に雪辱。まずはそれが目標」と川越は闘志をむき出しにした。

|

寒河江工・太田18K/山形大会

<高校野球山形大会:寒河江工6-0加茂水産>◇12日◇1回戦

 あっぱれな1年生だ! 公式戦初登板で先発した寒河江工の1年生左腕、太田達人が、加茂水産戦で7回1/3を投げ、11者連続を含む18奪三振の快投を演じた。最速は110キロほどながら、90キロ台のカーブを低めに集め三振の山を築いた。継投したエースの林真矢(3年)も残りのアウト5つを三振で奪い、6-0の快勝劇を圧巻の23Kリレーで飾った。

 次々に三振を奪っても表情ひとつ変えない。167センチの小さな体を目いっぱい躍動させて、太田はキャッチャーミット目がけて、黙々と投げ続けた。振り逃げによる1イニング4奪三振の珍記録を含む、18奪三振の記録を聞かされたのは試合後のこと。「思った以上に三振を取れたけど数字を聞いて驚いた」と、うれしそうに振り返った。

 軟式野球時代の中3の地区総体では20奪三振を記録した。しかし「今日は、たまたまカーブのキレが良かったから」と分析。本人の“自己申告”でも、これまでの最速は117キロ。この日も110キロ程度の直球を見せ球に、縦に大きく割れる90キロ台のカーブで相手打線を手玉に取った。

 大会前に背番号「11」を勝ち取った。だがベンチ入りを逃した3年生を見ると素直に喜べなかった。それでも先輩から「おれの分も頑張ってくれ」と声をかけられ、太田は吹っ切れた。「先輩方のために、1球1球に気持ちを込めた」と一球入魂を胸に秘めた。

 吉川文夫監督(41)が太田の先発を決めたのは1日のこと。紅白戦での出来の良さに、15年間の監督生活で初めて、初戦で1年生の先発を決めた。もちろん、これほどの快投は想定外。うれしい誤算に「ここまで良いとは思わなかった」と満足げだ。継投したエースの林も「あいつは強い心を持っていて、一人で黙々とタイヤを引いたりしてる」と後輩から刺激を受ける。

 チームは4月の春季地区予選で東海大山形にノーヒットノーランで敗戦。その後、部員の不祥事で1カ月間、対外試合ができなかった。スーパールーキーの登場で、沈みがちなチームに明るい光が差し込んだ。

|

春王者の花巻東ジンクス打破だ/岩手大会

<高校野球岩手大会:花巻東5-0福岡高浄法寺>◇12日◇2回戦

 ジンクス打破に向けて、花巻東が完封リレーで発進した。エース菊池雄星(2年)を温存しながら先発吉田大樹-高橋巽の3年生リレーで、福岡高浄法寺を2安打0封し5-0の勝利。最近5年間、春の県大会王者は夏の甲子園に出場していない-というジンクスを破る。また福岡の鈴木大志投手(3年)が軽米戦でノーヒットノーランを達成。岩手県から2日連続でノーヒッターが生まれた。

 額から汗をほとばしらせながら、吉田が連覇を狙うチームの思いを代弁した。「雄星がいないと(甲子園出場は)厳しいと思う。いつも第1シードが(県予選で)負けているので、勝負どころまで雄星を温存できるように自分が頑張る」。菊池雄を含め5人いる花巻東の投手陣。その先陣を切った吉田は7回2安打の無失点。高橋巽(3年)との完封リレーを完成させた。

 最近5年、春の県大会王者は夏甲子園の土を踏めない。ジンクス打破へ勢いをつける完封発進に佐々木監督も「うちは打てないので投手陣に頑張ってもらう。吉田はキレがある」と称賛した。公式戦2度目の登板で自信を得た吉田は、中堅手が本職だが「自分が投げて、ほかの投手を休ませたい」と鼻息は荒い。層の厚い投手陣を武器に「最後の夏」は甲子園で終わるつもりだ。

|

浦添商が甲子園一番乗り/地方大会

<高校野球地方大会>◇13日◇沖縄大会ほか

 第90回全国高校野球選手権大会の地方大会は、開会式のみを行った山口を除く53大会で472試合を行い、沖縄では浦添商が今春の選抜大会覇者の沖縄尚学を5-2で下し、全国のトップを切って甲子園出場を決めた。浦添商は11年ぶり3度目の出場で試合後の抽選で初戦(1回戦)は3日目(4日)の第3試合となった。春の優勝校が選手権大会出場を逃したのは、2000年の東海大相模(神奈川)以来。

 鹿児島では鹿児島実と樟南が準決勝に進出。選抜大会出場校では常葉学園菊川(静岡)明徳義塾(高知)北大津(滋賀)などが快勝したが、長野日大と丸子修学館(ともに長野)は4回戦で敗れた。

|

桑田Jr代打で登場し四球/西東京大会

<高校野球西東京大会>◇13日◇2回戦

 前パイレーツ桑田真澄投手の長男、桜美林の桑田真樹外野手が、甲子園への戦いのスタートを切った。1年生ながら背番号「9」で登録。初戦の翔陽戦はベンチスタートとなったが、5回裏2死一、二塁から代打で登場。四球を選び出塁した。「緊張しないでいつも通りできました」。試合は9-2で8回コールド勝ちした。

 父真澄氏(40)はネット裏で観戦。「打席に立てたということが良かった。見てるより、自分がプレーする方が気持ちが楽ですね」と苦笑いしていた。父はPL学園のエースとして1年夏から5季連続で甲子園出場。2度の優勝を含め通算20勝を挙げた。幼いころから父親に野球を教えてもらった真樹外野手。偉大な父にどこまで近づけるか。

|

« 2008年8月 | トップページ | 2009年1月 »